2040年問題と「自助努力」
Japan In-depth / 2019年6月12日 12時44分
政府は「人手不足の中での絶好の機会」として今夏までに就職氷河期世代の活躍促進に向けた3年間の集中プログラムを取りまとめる。厚労省の改革本部は都道府県労働局や地方自治体、民間事業者などと連携して都道府県レベルのプラットフォームを構築。また就職氷河期世代に特化した求人の開拓や助成金の活用を提言した。
しかし、40歳を超えている無職の人材をスキルアップさせるのは相当難しいだろう。なにより社会経験がないと社会構造や複雑な人間関係になじむのは高いハードルがある。最近急増している中高年の引きこもりや、それに伴う事件をみれば容易にわかる。
その中で70歳までの就労機会の確保や就職氷河期世代への支援を求めたほか、「人生100年時代」に向けた年金制度改革の必要性を強調。5年ぶりとなる今年の年金制度改革に向け、短時間労働者への社会保険の適用拡大、確定拠出年金(DC)の加入年齢の引き下げ。それに加えて、私的年金や民間金融商品の活用など「自助努力」を求める文言が入った。
▲写真 年金手帳 出典:厚生労働省ホームページ
ここに政府の思惑が透けて見える。つまり、「70歳までの就労機会の確保」は働いて一定の収入がある場合に年金額を減らす、在職老齢年金制度の廃止・縮小だ。社会保障制度の支え手を増やし、かつ年金支出を減らす狙いがある。
一方、金融庁が示した「公的年金だけでは2000万円足りない」とした報告書に非難が殺到している。最終報告ではこの文面は削除されたが、この報告書を作成した審議会に厚労省の年金局の課長が出席し、私的年金などの金融商品の活用の必要性を発言していたとの一部報道があった。事実ならば「確信犯」であり、公的年金を当てにせず自分で資産運用しろ、ということである。
トップ写真:高齢化社会イメージ 出典:Pixabay; Truthseeker08
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