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「政界再編、有権者が左右する」政治ジャーナリスト角谷浩一氏

Japan In-depth / 2019年7月2日 18時0分

7月21日には、参議院議員選挙が控えている。細川氏は、参院選が憲法改正に与える影響について、角谷氏に聞いた。角谷氏は、「参院選で自民党あるいは与党が3分の2を維持できるかどうかが焦点になる」と述べた。


ただし、角谷氏によれば、憲法改正の発議について、自民党内に2つの考え方があるという。一つは、衆参両院で3分の2の議席を確保すること、すなわち、いつでも発議できる状態であることを重視する考え。これが従来、自民党内で主流の考え方であった。二つ目は、3分の2から議席を減らした状態にこそ、発議の可能性があるとする考え方である。与党だけでいつでも発議できると言う姿勢は、野党の態度をかたくなにさせる。野党の協力なしには憲法改正ができない状態であれば、野党も議論に応じる、との見方だ。


細川氏は、国民は憲法改正を、どのくらい重要な争点として認識しているか、角谷氏の考えを聞いた。角谷氏は、「憲法問題が最優先課題だと考える有権者はあまり多くない」と答えた。現行憲法に不自由を感じる国民はほとんどいない。むしろ、「憲法は権力者たちを縛るためにあるもの。それが変わったり緩くなったりすることに対して危機感を持つ人もいる」という。


そうした中、角谷氏は「自民党の中も追いついていない」と述べた。自民党は今度の参院選においても、公約の6番目に「憲法改正を目指す」スローガンを位置付けているが、最優先課題との認識は党内にも浸透していないとみられる。


細川氏は、自民党が憲法改正を争点化するのは「年金や消費税といったことへの国民の関心を低くするため」ではないかと指摘した。さらに、安倍政権を「政権運営に横柄さが見られる」「3分の2の議席があったのに憲法改正の発議を実現できなかった」と批判した。「自民党、与党側にお灸をすえるような結果が出て、野党の言い分を聞く姿勢が出てくれば、憲法改正や、私たちの生活により良い政策が実現していく道筋ができるのでは」と期待感を示した。


角谷氏は、自民党の横柄な態度、国民に対して雑な態度は、政治家の役割意識が希薄化していることの表れだと主張した。「議会が活性化し、国民がそれを見て一生懸命やっていると感じる」という政治の望ましい状態からかけ離れているという。


細川氏は、参院選後に政界再編の動きが起こりうるかどうか、角谷氏の意見を聞いた。角谷氏は、「地殻変動が起こる可能性はある」と述べた。


自民党を離党した政治家たちの末路を見れば、多くの人がそう簡単には政界再編は起こらないと考える。しかし、自民党を離党する人がいるのは、自民党内で意見しにくい閉塞感、すなわち「石破さんが冷や飯を食わされたと言うような雰囲気」があるからだ、と角谷氏は説明する。


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