サミットで露呈トランプの無知
Japan In-depth / 2019年7月4日 11時0分
折しもアメリカ国内では野党民主党の大統領候補の予選で初のディベートが行われ、前副大統領のジョー・バイデンと、カリフォルニアのカマラ・ハリス上院議員が、公民権運動時代の「busing(憲法に違反し、人種隔離政策をやめない州政府に対して、連邦政府が強制的に児童をバスで移動させた)」の是非を巡って熱い議論になったことをどう思うか、と聞かれて「あの時代は通学といえば皆スクールバスに乗った。他に選択はなかった」とトンチンカンなことを答えている。
G20サミットでの態度からも分かる通り、トランプの外交政策は、NATO(北大西洋条約機構)の同盟国をおろそかにし、サウジアラビアやロシアや北朝鮮など、独裁政治でリーダーがいつまでもその座に居座る国と仲良くしたい、というものだ。日本がいくらトランプに媚びても、安倍政権は単に長く続いているだけで「強くない」と思われている以上、何をしても無駄だ。
▲写真 G20大阪サミットに際し、行われた米ロ首脳会談(2019年6月28日)出典:flickr ; The White House
中国も韓国も3度目となった米朝首脳会談を好意的に評価しているようだが、トランプはこれから1年半、大統領再選に没頭するしかないので、もう新鮮味のない4度目の会談はない。だか
ら今度は「来たけりゃホワイトハウスに来い」といっているのだ。どうせプロパガンダ局に成り下がったフォックスTVを見て、再選のためのラリーに行く毎日なのだから。そして北朝鮮もミサイルのひとつも減らすことはないだろう。
トランプの関心はもはやそこにはない。今は7月4日の独立記念日をいかに大統領である自分を讃える祭りにするかで心を砕いているのだから。
トップ写真:G20大阪サミットに出席するトランプ米大統領(2019年6月27日)出典:flickr ; The White House
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