参院選で揺れる連合執行部
Japan In-depth / 2019年7月10日 11時0分
1989年に旧総評系と旧同盟系労組が大同団結して発足した連合だが、2016年6月に住友化学や三井化学、昭和電工など大手化学メーカー労組で構成する産業別組合の全国化学労働組合総連合(化学総連)が連合から離脱した。
化学総連は自民党支持の経営側と歩調をそろえていた。当時の民進党がこの年の参院選で共産党と選挙協力に踏み切ったことが背景にあるとみられたが、産別組織全体が連合を集団離脱するのは連合結成以来初めてのことだった。
連合と共産党系の全労連とは敵対関係にある。さらに、右派系の旧同盟系の民間労組と左派系の旧総評系の官公労の対立が起きている。
17年7月には高収入の専門職を労働時間規制から外す高度プロフェッショナル(高プロ)制度導入を巡り、連合内部が混乱した。神津会長が安倍晋三首相と会談し、高プロ制度導入に関する労働基準法改正案の一部修正を条件に受け入れを表明したものの、これに野党や地方組織が反発。21日に中央執行委員会で傘下労組に経緯を説明、理解を求めたものの、結局、27日に札幌市で開かれた臨時中央執行委員会で容認を撤回した経緯がある。
同日夜に官邸で開かれる予定だった政労使会合は中止されたが、高プロを含む「働き方改革」関連法案は国会に提出され可決成立した。
参院選で最低賃金引き上げが争点となっている。神津会長は「最賃をもっと大幅に上げるべきだし、地域間格差是正も図るべきだ」とし、立憲と国民と歩調をそろえたが、消費増税には社会補正制度維持の観点から引き上げに賛成の立場だ。
今回の参院選で野党が大敗すれば、連合の現執行部の責任問題が再浮上。野党共闘も崩壊する可能性がある。
トップ写真)神津里季生連合会長
出典)神津里季生Facebook
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