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米で急増、学校給食費未払い

Japan In-depth / 2019年7月15日 11時13分

新年度から法律が施行されることで、メイン州の公立学校では、給食費が支払われたかどうかに関わらず、子どもの希望があれば、給食費を払っている子どもと同じ内容の給食を食べさせることが義務付けられる。この法律に関しては、メイン州の親たちの間で、賛否が分かれている。Maine’s Leading Local Newsのweb上で、Juliaさんは「お金を持っている家庭の子どもさえもが、意図的に給食費を払わないで、ランチを手に入れることになるし、この法律は意味をなさない」と強く批判している。その一方で、この問題に関してfacebook上の母親グループの間では、賛成という意見もあり、Ameliaさんは「Food shamingは子どもたちの心を傷つけるし、それをやめるためには、この法律は必要だったわ」と話す。



▲写真 ランチを待つ子供達 出典:Rick Brady/SNA


メイン州の学校栄養協会は、法律への反対を表明しており、学校栄養担当ディレクターのReillyは、「膨れ上がる負債を、最終的に誰が払うのか」と憤慨している(Maine’s Leading Local Newsより)。同州議員で、法案に反対を投じたHeidi Sampson 氏も「子どもを甘やかせ過ぎだ。これから先、彼らの人生に何か困難が生じたら、どう対処するのか」と言う(The Western Journalより)。コロラド州のデンバーでも2017年、同様の法律が成立した時、親たちは給食費の支払いを怠り、給食費の負債額は1年で13,000ドルから35万ドル以上に急増したのだ。


ロードアイランド州のWarwick公立学校区は、昼食費を払っていない子どもには、未払い額が支払われるまで、温かい給食の代わりにひまわりの種のバターとジェリーのサンドイッチのみが出されることを今年5月に発表した。この決断は、アメリカの多くのメディアに取り上げられ、「Lunch shaming (ランチによる侮辱)」として、多くの批判が寄せられた。


このニュースを知り、心を痛めたギリシャヨーグルトの人気企業Chobaniの最高経営責任者Hamdi Ulukayaが昼食費の負債の一部を支払うことを決め、この寄付は特に低所得の家庭で、昼食費の支払いが困難な家庭の子どもの負債に充てられることになった。その後も批判が相次いだことから、Warwick公立学校区の委員会では、慎重に内容を再検討し、生徒は給食を自由に選ぶことができると、方針を撤回した。



▲写真 サンドウィッチを食べる男の子(イメージ)出典:Rick Brady/SNA


アメリカでは、給食費の支払いが困難な家庭は、事前に申請して条件が合えば、無料、もしくは一部減額などの対策を講じているが、住んでいる地域の生活費の高さなど、複雑な社会経済的状況に対応できていないケースも多い。子どもたちが安心して給食を食べられることを願うし、膨れ上がる給食費問題に対し、早急な制度改革が求められている。


トップ写真:小学校での給食の風景 出典:Rick Brady/SNA


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