米中覇権争いの狭間で日本は
Japan In-depth / 2019年8月4日 11時0分
しかし、あまり知られていないが、財・サービスの生産量でみた「購買力平価ベース」では、2014年に中国はアメリカを上回っている。IMFデータによると、購買力平価ベースで、1995年のアメリカ・中国・日本の世界経済に占める割合は各々19.9%・5.9%・7.8%であったが、1999年に中国は日本を上回り、各々20.6%・7.2%・7.0%になった。2018年は各々15.2%・18.7%・4.1%で、既に中国はアメリカを凌駕している。
この事実はアメリカも十分に理解しており、それが米中貿易戦争を引き起こす要因の一つとなっている可能性が高い。なお、IMFデータによると、1981年から 2023 年における一人当たりGDPの平均成長率(ドルベース、予測を含む)は、中国11.3%、アメリカ3.5%、日本2.7%であり、この成長率が継続するとき、中国の一人当たりGDPが日本やアメリカを追い抜くのは、各々2041年・2047年となる。
人工知能・ブロックチェーンやビッグデータ・IoTといった第4次データ産業革命やデータ金融革命が進む中、民間銀行等の決済システムを含め、日本でも産業構造や労働市場といった経済構造の抜本的な転換が必要であることは明らかだが、アメリカと中国という超大国の狭間で、覇権交代の確率をどう予測し、外交・安全保障も念頭に置きつつ、日本がどう生き抜くのか、真剣な議論が望まれる。
トップ写真:2019年 大阪でのG20 出典:Flickr; The White House
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