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金正恩庇うトランプ密約疑惑

Japan In-depth / 2019年8月4日 22時11分

つまり「米国にとって脅威とならなければ問題ない」という考えを繰り返し強調したのだ。25日の米FOXニュースとのインタビューでも、「北朝鮮は小さなもの以外はミサイル発射実験をしていない」と指摘し問題視しない意向を示した。


これらのトランプ発言は明らかに1953年10月1日に締結された「米韓相互防衛条約」の精神に反している。


米韓相互防衛条約第二条では、当時国中のいずれか一方の国の政治的独立又は安全が、外部からの武力攻撃によって脅かされているといずれか一方の当時国が認めたときは、いつでも当事国は協議する。当事国は単独だろうが共同であろうが、自助及び相互援助により武力攻撃を阻止するための適当な手段を維持し強化させるだろうし、本条約を実行しその目的を推進する適切な合意を執るものとする、と明記され、また第三条では、当時国は、それぞれの行政的管理の下にある領土と、当時国がいずれか一方の行政的管理の下に置かれている、もしくは入ったものと認める今後の領土において、いずれかの当時国に対する太平洋地域における武力攻撃を、自国の平和及び安全を危うくするものであると認め、共通の脅威に対処するために各自の憲法上の手続に従って行動することを宣言する、となっている。


金正恩が国連安保理決議に違反する行為を繰り返し、あからさまに韓国を威嚇する発言を行っている以上、米国は、韓米相互防衛条約に基づき北朝鮮に対して具体的行動をとるか、少なくとも何らかの警告があってしかるべきだが、トランプはむしろ金正恩をかばう発言を行った。これまでこのような米国大統領はいなかった。



▲写真 トランプ大統領 出典:Flickr; The White House


 


■ 韓国に責任を押し付けるトランプファースト


トランプ大統領は、条約を軽視するだけでなく、北朝鮮による挑発の原因を韓国に押し付けるような態度も示した。ある(米国の)記者が「北朝鮮は短距離ミサイルを(韓国への)警告と表現している。米国からすれば短距離だが、わが国の同盟国である韓国や日本からすれば短距離ではない」と強い口調で質問したが、これに対してトランプ大統領は「彼ら双方は紛争を起こしている。彼らは長い間そうしてきた」と述べた。北朝鮮のミサイル挑発について「南北間のささいな対立」というレベルの見方を示した。


しかし金正恩が直接明言した「挑発の理由」は、来月開催される予定の韓米合同による「19-2同盟」の軍事演習と、韓国軍が米国からF35Aステルス戦闘機を購入したことにある。つまり米韓同盟を問題視しているのだ(朝鮮日報2019・7・29)。



▲写真 文在寅大統領とトランプ大統領 出典:The White House


トランプ大統領による度を越した金正恩擁護は、2020年の米国大統領選挙を前に、「北風(北朝鮮の軍事挑発)が自らの再選に及ぼす影響を最小限に抑える戦略」に基づくものと解釈されている。しかし選挙戦略だけではトランプがなぜここまで金正恩をかばうのかは説明できない。二人の間には何らかの隠された「約束」が存在するのでは?と見る専門家は増えている。


トップ写真:板門店で面会を果たしたトランプ大統領と金委員長 出典:Flickr; The White House


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