日韓対立で米紙酷い偏向報道

Japan In-depth / 2019年8月9日 11時0分

●同記事は今回の対立について全体の半分ほどの部分でやっと文在寅政権が両国外相声明で完全に終結したと合意した慰安婦問題の財団を解散したことに簡単に触れて、それに続く形で韓国側最高裁が戦時労働者への賠償請求判決を下したことへの日本側の反発を初めて伝えていた。つまり今回の対立の真の原因をすっかりすりかえ、矮小化しているのだ。また記事は今回の対立の原因の一つとなった韓国軍の日本の自衛隊機への攻撃準備のレーダー照射事件にはまったく言及していなかった。



▲写真 レーダーを照射したと言われる韓国海軍「広開土大王」艦 出典:撮影 Republic of Korea Armed Forces (CC BY-SA 2.0)


 


●同記事はさらに慰安婦について繰り返し「政的奴隷」「強制された性的奉仕」と書き、日本軍が組織的に女性たちを連行して、売春を強制していたという意味の記述で一貫していた。アメリカ政府の公式資料や日本側の調査研究によって慰安婦たちが「性的奴隷」でも「強制連行」の対象でもなかったことはすでに証明されており、この記事はその点もこれまた日本側に不利な形で事実を無視していた。


ニューヨーク・タイムズのこの記事は通読しただけでも、以上のような偏りや誤りが目立った。さらに同記事には反トランプ、反安倍と呼べる政治的な歪めも顕著だった。日韓関係がいまのように悪化して、北朝鮮や中国の軍事脅威に備えて団結すべき米日韓の三国の安全保障関係に悪影響が及ぶのも、日米両国指導者の失態だと論ずるのだった。そうした点ではこの記事には以下の趣旨の記述があった。


●同記事は日韓両国がこれほど対立するのは「トランプ大統領が東アジアの同盟諸国の連帯に注意を払わないからだ」「トランプ政権のリーダーシップが欠けたためだ」という趣旨の反トランプ傾向の専門家たちの言葉を繰り返し紹介していた。とくにトランプ政権が日本と韓国の両方に和解の調停をいったんは申し出ながら、また後退したことが大きなミスだと強調していた。



▲写真 トランプ大統領と安倍首相 出典:Flickr; The White House


●同記事は安倍首相についても「保守的なナショナリストとして攻勢的な軍事政策を推進している」とか「安倍首相の率いる自民党は慰安婦が強制連行されなかったというような主張を広げ、日本側の民族主義的な感情をあおった」などと書き、いかにも安倍首相にいまの日韓対立の責任があるかのように論じていた。


ここまでの偏向報道には日本政府として抗議をしてもよいのかもしれない。


トップ写真:河野太郎外務大臣、康京和(カン・ギョンファ)韓国外交部長官(左)、ポンペオ米国務長官(中央)2019年8月2日 出典:外務省


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