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かんぽ生命不正販売問題の裏

Japan In-depth / 2019年8月10日 17時10分

ある郵便局OBは、「とにかく毎日、ノルマに追われるが、民間生保にはない信頼がある。1人の契約を取れば一族全員の保険をかんぽに切り替えてくれることもあった。手当も入ってくるが、その過程で強引な契約に走った人も多いのではないか」と語る。


かんぽの目標額は、かんぽ生命や日本郵便本社から支社、支社から管轄する地域や部会、そして各郵便局に細かく割り振られる。連座制で、1局でも未達があれば徹底的に吊るし上げられ、翌年の予算配分にまで影響する厳しいものだ。2016年4月からかんぽの保険限度額が2千万円に引き上げられたことで、被害が拡大したともいえる。


元来、かんぽは貯蓄性の高い商品で、旧郵政省時代には「10年分の保険料を一括で支払えば、5㌫近い利益になった」という。しかし、低金利時代に入り入院保障などの“特約”(掛け捨て部分)を重視するようになった。


三井住友銀行元幹部の日本郵便の横山邦男社長は記者会見で不正の原因について聞かれ、「営業推進体制が旧態依然だった」と述べたが、政治経済学者の植草一秀氏は「売り上げありきの過酷な営業目標やノルマを職員に課したのは経営の責任ではないか」と指摘する。



▲写真 日本郵便株式会社代表取締役社長兼執行役員社長横山邦男氏 出典:日本郵便


かんぽ生命は当面、自社の商品販売を取りやめるという。不適切販売発覚後、日本生命保険、住友生命保険も日本郵便に委託している「変額年金保険」、「医療保険」の販売休止を要請した。


しかし、昨年末に日本郵政から2700億円の資本を受け入れたアフラックのがん保険、自動車保険だけが全国2万の郵便局の保険窓口で継続販売される。アフラックからの販売手数料収入が見込めるとはいえ、郵便局の保険窓口からかんぽと国内保険が消え、外資に独占される異常事態だ。


トップ写真:日本郵政グループの看板 ©Japan In-depth編集部


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