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予算1000万円の若者議会とは

Japan In-depth / 2019年8月22日 11時0分

これまで、若者議会が市長に提案し、実際に実現した政策は数多い。例えば市内の図書館の改修だ。利用者が少なかった2階の展示場所を学生が勉強できるような多目的スペースに改修した。その結果、利用者が急増した。また、バスの利用者を増やして活性化につなげようと「バス攻略アドベンチャー」なるイベントを企画した。実際に運転席に座ることができたり、バスと綱引きを行うなど、バスを身近に感じさせ利用率の向上に取り組んだ。



▲写真 図書館リニューアル前 出典:新城市役所



▲写真 図書館リニューアル後 出典:新城市役所


若者議会は今年で5期目となる。高校1年生のある若者委員は「新城市の自然は、外の市や県に誇れる。この自然を広めるような事業をやりたい」と意欲的だ。その上で、自分の兄も参加し、図書館の改修にかかわったと指摘。「若者議会には新城市をよくする力があると思った」と話す。


兄弟で若者議会に参加するケースは少なくないようだ。また、若者議会のOBが新城市の市議会議員になった。さらに興味深いのは、新城市の若者議会に参加した若者が、市の地域協議会や他の市の審議会の委員になっていることだ。


この手の協議会や審議会と言えば、自治会の会長や市役所のOBらが常連だ。そんな中、若者が参加している様子は、想像するだけで面白い。


若者議会ができてから、若者は地域で一段と大きな存在となっている。1000万円の予算がつくことに当初否定的な意見もあったが、今では応援する声が多くなっている。


穂積亮次市長は「高度成長の時期に生きた我々と違って、今の若者は不安感を抱いている。今の日本は、若者を踏み台に上の世代が逃げ切ろうとしているようで、以前から忸怩(じくじ)たるものがあった」と語る。


考えてみれば、私含めた中高年が逃げ切った後、残されるのが若者たちだ。若者たちは将来の不安を抱える。少子高齢化で、年金、医療、介護といった社会保障の財源の先細りは確実だ。少しでも事態を改善するには、若者自身が政治に関心を持つことが大切だと思う。新城市では、若者議会が始まってから、高校生が市役所に立ち寄ることが増えたという。身近な地方自治こそ、若者に門戸を開くべきだと、私は考える。


トップ写真:「若者会議」の様子 出典:新城市役所


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