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比カジノに中国人スパイ疑惑

Japan In-depth / 2019年8月23日 10時12分


▲写真 POGO(赤い線で囲まれた所)、フィリピン海軍基地(青い線で囲まれた所:一番上)、議会(青い線で囲まれた所:真ん中)出典:Philippines Defense Forces Forum Facebook


ここを拠点にして約2万人の中国人労働者が「オンライン・カジノ」に従事しているとされるが、このPOGOのある場所はかつて米軍も駐留したフィリピン海軍、空軍基地から約3キロの場所という。


またすでに稼働しているアラネタセンターとイーストウッドにある中国系カジノはいずれもフィリピン軍司令部のあるキャンプ・アギナルドに近く、軍関係者によると「テロ攻撃を仕掛けようとすれば、十分にその射程内である」という。


 


■ 国防長官、野党議員も懸念を表明


ロブレド副大統領に続いてデルフィン・ロレンザナ国防長官も中国人カジノ労働者に関して「その気になればいつでもスパイとして仕事ができる距離にあることは地図をみれば誰でもわかる」と述べて国防省として国の安全保障への影響を調査していることを明らかにした。



▲写真 デルフィン・ロレンザナ国防長官 出典:DEPARTMENT OF NATIONAL DEFENSE(フィリピン政府)


その上で「入管当局や法務当局、労働当局などは中国人の入国を一時制限することも検討すべきだ。また現在カジノで働く中国人労働者の身元確認、滞在許可の有無などもきちんと調べることも必要だ」の考えを示し、中国人不法労働者、特にカジノ関連ビジネスの従事者に厳しい姿勢を示すことを求めている。


下院の野党議員であるエリック・ピネダ議員は「インクワイアラー」紙に対し「不法労働している中国人労働者は多くが短髪で体格がよく、まるで兵士のようである」として不法入国してくる中国人労働者の中に中国軍関係者が紛れ込んでいる可能性にまで言及している。


ロレンザーナ国防長官は「個人的にはあまり心配していないが」としたうえで「南シナ海問題でフィリピンは中国に対して不信感を抱いている。それだけにこのカジノで働く中国人労働者がスパイになりうるとの警戒感を持つことは仕方ないことだと思う」として中国側にも理解を求めている。


 


■ 東南アジアがオンライン・カジノの拠点化


「インクワイアラー」によると、在フィリピンの中国大使館は最近出した声明の中で「カジノは中国では違法行為であり、マニラにある中国本土の中国人を対象としたオンライン・カジノで働く中国人も違法である。フィリピン当局にはこうした中国人の不法労働者の摘発を要求する」としており、フィリピン側の厳正な対処を求めているという。


東南アジアではフィリピンに限らず、タイやカンボジアでも中国人によるオンライン・カジノやインターネットを通じたいわゆる「オレオレ詐欺」のような詐欺行為が頻発している。


特にフン・セン政権が親中政策を取っているカンボジアでは連日のように不法滞在、不法就労の中国人が検挙されて中国本土に強制送還されているが、その数以上に観光ビザを持った中国人が入国してくるという事態が起きており、地元警察も頭を抱えているという。



▲写真 フン・セン首相 出典:ロシア大統領府


こうしたネットでの詐欺犯罪やオンライン・カジノで働く中国人に対し、「軍事基地や施設へのスパイ容疑」が浮上したのは今回のフィリピンが初めてで、関係国でも同様の懸念が心配されている。


トップ写真:カジノ(イメージ)出典:Flickr: Marco Verch


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