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ニセコ沸騰のきっかけとは

Japan In-depth / 2019年8月26日 7時0分


▲写真 倶知安町 出典:著者提供


雇用拡大にもつながる。フィンドレーの会社は3人から始めたが、今では80人が働いている。Uターン組もいれば、たまたまニセコを訪れ、気に入って就職した人もいる。


フィンドレーは「ニセコは今、『ニセコノミクス』を実現しました。安倍政権は物価目標を2%に掲げていますが、ニセコでは、物価上昇と賃金アップはもっと進んでいます。スキー場のリフト券は7%上昇、宿も15%アップ。最低賃金も千円ほどです。北海道全体の810円を大幅に上回っているのです」と話す。


その上で、強調する。「この地域に長期滞在している外国人観光客はだいたい、常時1万人ほどいます。さらに、1200人の外国人がこの地で働いています。これは地域住民1万5千人に匹敵する数字なのです」。


実際に町を歩くと、看板にも英語が目立つ。カフェ、レストラン、お土産物店などは、おしゃれな感じだ。建設中の大きなホテルがいくつもあった。1泊10万円以上のコンドミニアムに長期滞在する外国人も多い。


観光に大事なのは、経済効果だ。フィンドレーによれば、ニセコに長期滞在する外国人は日本人と同じように、スーパーで買い物したり、床屋へ行ったり、病院に行ったり、電気やガスを使ったりするという。この地域全体にお金を落としている。


「経営者ばかりもうかっていてもダメなのです」。短期の観光客の場合は、その宿の経営者だけがもうかるが、長期では、地域全体に恩恵が広がるという理論を描く。


私は膝を打った。観光客の数ばかり気にして、いくらお金を落とすかに、ほとんど関心の払わない首長などとは大違いだ。


「ニセコノミクス」の原動力は外国人の存在と言える。彼らの消費は、物価を押し上げ、賃金も増やすパワーを持っている。それは雇用を増やし、人口増加にも結び付く。そんな好循環を実現したことになる。


外国人が不動産を買いあさっているニセコの現状には、批判もあろう。飲食店のメニューが異常に高くなり、生活が不便になった面もある。しかし、人口減少に直面している地方に散っては、外国人の存在は極めて重要だ。外国人を魅了するまちづくりは、地域再生のカギを握っていると思う。


トップ写真:ラフティング(イメージ)出典:Pixabay; julianomarini


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