香港デモ、財界人も支援の訳
Japan In-depth / 2019年9月3日 19時4分
理由は簡単、当時の東京では言論の自由も集会の自由も完全に認められていたからだ。一方、今の香港では一度中国の軍事介入を許したら、今享受している様々な自由など一瞬にして失われる可能性がある。その意味で、香港の若者は真剣そのもの、1970年前後の日本の甘っちょろい学生運動とは全く異なるのだなぁと実感した。
▲写真 広がり続ける香港デモ 2019年7月7日 出典:VOA
もう一つ、コラムに書けなかったことを書いておこう。現地の事情通から聞いて初めて納得したのが、香港の財界というか、エリート層のデモに対する対応ぶりだった。日本の学生運動は「反権力、反資本、反大企業」だったが、こちらはちょっと違う。彼らは犯罪人引渡条例の対象が自分たちであることを正確に理解しているようだ。
勿論、香港の本当の大金持ちはとっくにカナダやアメリカの市民権を得て、既に香港を去っているかもしれないが、それ以外の財界関係者にとって新条例は死活問題なのだろう。なるほど、彼らが若い民主活動家を支援するのも当然だ。正に、百聞は一見に如かず、である。人口750万の都市(国家?)だが、ここの内政は実に奥深い。
〇 アジア
現地からの最新情報によると、香港では2日から新学期が始まった中学生や高校生が授業をボイコットしているそうだ。中高生だけでなく、大学生らによる授業ボイコットやストライキも呼び掛けられている。そう言えば、先週末も、2日からゼネストをやると言っていたっけ。でも、香港はこうした混乱に耐えられるのだろうか。
2日から中国の国務委員兼外相が訪朝するらしい。これは北朝鮮外務省が主導権を握りつつあることを示すのか、それとも中国の単なるポーズなのか、気になるところだ。常識的にみれば、現時点で中国外交が活発に動きだす可能性は低いと思われるのだが・・・。様々な頭の体操をやっておく必要があることだけは確かだろう。
もう一つ、スキャンダル疑惑が報じられた韓国大統領側近が2日に会見、娘の不正入学疑惑などをめぐり、「国民に大きな失望を与えた。自身の周辺に厳しくできなかった点を深く反省し、謝罪する」、「国民から機会を与えられれば、必ずやらねばならない使命がある」などと述べ、法相指名は辞退しないらしい。これは見物である。
▲写真 曺国(チョ・グク)氏 出典:Flickr; Republic of Korea
〇 欧州・ロシア
英首相のEU離脱が更なる波乱を招いている。同首相は与党・保守党内の造反議員を厳正に処分する方針だそうだ。英政界の気の早い向きは、既に総選挙の可能性に言及し始めた。だが、身内すら制御できない首相が総選挙に勝てるのか。厳正処分とは英保守党の更なる縮小を意味するのではないのか。お手並み拝見である。
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