比で中国人犯罪容疑者一斉摘発

Japan In-depth / 2019年9月19日 23時0分

これに対し、フィリピンのドゥテルテ大統領は「外貨獲得の手段の一つであり、フィリピン人の雇用にもつながる」との認識から積極的な摘発には反対の立場を示していた。しかし今回は端緒が中国人4人の逃亡詐欺容疑者に対する捜査であることからフィリピンの入管当局、警察も動いたものとみられている。



▲写真 ドゥテルテ大統領 出典:Rody Duterte facebook


政府統計では現在フィリピンには約20万人の中国人労働者が滞在しているが、その大半がオンラインカジノなどのギャンブル関係の仕事に就いているとされる。


 


■ 273人の逮捕者も犯罪容疑者と判明


現在フィリピン入管当局の施設に収監されている277人は今後中国当局に身柄が渡され、強制送還処分となる見通し。中国大使館が身元を個別に確認したところ、指名手配の4人以外の273人も中国本土で何らかの犯罪に関わり行方を追われて逃亡中の犯罪容疑者であることがわかったという。人権問題を主に報じる「ブナール・ニュース」ネット版などは、273人の大半が経済犯罪の容疑者だったと伝えた。


こうしたことなどからフィリピンなど東南アジアに観光目的などで入国して不法滞在、不法就労する中国人の中に、中国本土で犯罪容疑者とされ当局の手を逃れるために渡航するケースがかなりあるとみられている。


東南アジアでは中国政府と緊密な関係を築いて中国の「一帯一路」構想に組み込まれているカンボジアやラオスなどにも多くの中国人が流入し、オンラインカジノ運営や中国人相手のカジノ経営、風俗店経営などに従事している。



▲写真 中国・習近平国家主席とドゥテルテ大統領(2018年11月20日 マニラ)出典: Rody Duterte facebook


フィリピンはドゥテルテ大統領が対中政策で硬軟を使い分ける戦術で南シナ海領有権問題と経済支援を天秤にかける巧みな外交を展開している。その影響もあって、中国人の流入は増加傾向にあり、マニラ市内のオンラインカジノ拠点がフィリピン軍の基地に近いことから「単なる労働者の間に中国当局のスパイも紛れ込んでいる可能性がある」との警戒感も生まれている。(参照:Japan In-depth 8月23日掲載「比カジノに中国人スパイ疑惑」)


今回の摘発で不法滞在、不法就労の中国人に多くの犯罪容疑者が含まれていることが判明し、フィリピン当局として今後は中国側からの情報提供も受けながら中国人労働者の摘発に積極的に取り組みたい意向だ。こうした動きは同様の問題を抱えるカンボジアやラオス、さらに最近中国人犯罪問題が増加傾向にあるタイにも影響を与えることは必至の情勢となっている。


トップ写真:フィリピン入国管理局 出典:Bureau of Immigration, Republic of the Philippines facebook


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