世界の潮流は国家主権主義へ
Japan In-depth / 2019年9月24日 23時0分
▲写真 第73回国連総会でのトランプ大統領の演説 出典:Flickr; The White House
〇 アジア
NYでの米中首脳会談はあまり進展しないだろう。筆者が中国国家主席なら、来年の大統領選挙まで様子見で、大胆な譲歩など考えないからだ。米韓首脳会談は雰囲気が冷たかったと報じられているが、これも当然といえば当然。文在寅氏は国内での最側近のスキャンダルで忙しく、米韓首脳会談どころではないかもしれない。
〇 欧州・ロシア
最近英仏独が連携する機会は減ったが、今週ニューヨークで三国首脳は珍しく、サウジ石油施設攻撃につき、「イランが責任を負うのは明白だ。他に説得力のある説明はない」とする共同声明を発表したそうだ。当然だろう。では日本はどうするのだろうか。そろそろ腹を決める時期に来ているかもしれない。
〇 中東
先週は、サウジ軍関係者が石油施設攻撃で使われたドローンと巡航ミサイルがイラン製であることを公表したものの、対イラン非難は差し控える、という奇妙な状況が続いた。ボルトン国家安全保障担当補佐官解任ということは、トランプ政権が直ちに対イラン報復攻撃を行うことはないということだろう。
▲写真 ボルトン元国家安全保障担当補佐官 出典:Flickr; Gage Skidmore
報復をやるならサウジだろうが、サウジ軍単独では対イラン攻撃の効果は微妙だ。イスラエル新政権も当然関連してくる。サウジも直ぐには軍事行動を行わないだろう。だが、その内に攻撃のタイミングは失われる。それは典型的な「宥和政策」であり、イランの国内強硬派は祝勝会を開いて高笑いしているのではないか。
しかし、世界史のすべての教訓は、宥和政策が最終的にいつか必ず失敗することを教えている。今のままイランに対し正しいメッセージを送らない場合、湾岸での軍事行動の可能性は短期的には遠のくだろう。だが、最終的な問題解決にはより大規模な軍事行動、もしくはより悲惨な人的、物的被害を覚悟しなければならなくなる筈だ。
〇 南北アメリカ
先週は米情報機関の内部告発者の指摘が注目された。トランプ氏がウクライナ大統領と電話会談した際、民主党有力候補バイデン元副大統領とその息子の不正疑惑を捜査するようウクライナ側に働きかけたというのだ。それにしても、トランプ氏関連の話題は尽きない。下院民主党では大統領弾劾の動きが燻っている。要注意だ。
〇 インド亜大陸
特記事項なし。今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。
トップ写真:国連本部の国連総会ホール 出典:Wikimedia Commons;Basil D Soufi
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