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金正恩に足元見られたトランプ

Japan In-depth / 2019年10月6日 11時0分

これに対してトランプは何ら抗議することなく「彼ら(北朝鮮)は対話をしたがっており、われわれは間もなく彼らと話す」と、相変わらず金正恩寄りの姿勢を示した。米国務省も2日この発射に対し、「挑発を控え、国連安全保障理事会の決議に基づく義務を順守するよう求める」とする声明を発表したが、国連制裁違反との強い非難はしなかった。


こうした動きに対して元北朝鮮駐英公使の太永浩氏は警告を発した。太氏は、「トランプ米大統領は北朝鮮と非常に危険なゲームをしている。金正恩政権は米国の軍事措置および追加制裁を避けて核兵器を開発し、統治の正当性を強化してきた」と批判した。


 


■ ボルトン氏、トランプの対北妥協の動き牽制


トランプ大統領の危険な対北朝鮮妥協の動きに対してボルトン前補佐官が批判を強めている。ボルトン氏は9月30日、米シンクタンクの戦略国際問題研究所での講演で「北朝鮮が核兵器を放棄するという戦略的な判断を下していないことは明らかだ」と指摘。現在の状況下で、金正恩委員長が「自発的に核兵器を放棄することは絶対にない」と断言した。



▲画像 CSISで講演するジョン・ボルトン前大統領補佐官(2019年9月30日)出典:CSIC


また「北朝鮮はわれわれが与えるべきでないものを欲しがっている」とした上で、膠着状態が長期化すれば「核兵器の拡散に反対する者に不利に働き、北朝鮮やイランなどの国々に恩恵をもたらす」と警告した。その上で、制裁が効果的に履行されていない状況、北朝鮮のミサイル実験を問題視しない姿勢など、トランプ政権の一連の対北朝鮮対応を批判した。


トランプ大統領が評価している北朝鮮による核兵器・長距離ミサイル実験の停止に対しても、ボルトン氏は、「北朝鮮がすでにこうした兵器の実験を終えたからだ」と指摘、「良い兆候ではなく、懸念すべき兆候だ」とし、北朝鮮制裁を一部緩和すれば、核開発が続けられるだけでなく、拡散するだろう」と述べた。事実ボルトン氏が指摘するように、「核兵器・長距離ミサイル実験の停止」はトランプ氏の功績ではない。それは2018年4月20日の朝鮮労働党第7期第3回中央員会全員会議で「核兵器化の完結が検証された」として北朝鮮自らが決定したものだ。



▲写真 国営朝鮮中央通信(KCNA)によると、2019年8月25日、金正恩委員長が「超大型多連装ロケット発射機」の試射を視察。写真はその時のものとされる。 出典: DPRK Twitter


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