令和時代になぜ憲法改正 その1 世界で目撃 日本国憲法の異端
Japan In-depth / 2019年10月14日 18時43分
▲写真 尖閣諸島 出典: 石垣市ホームページ
日本の憲法は自国を防衛することも自縄自縛としている要素が強い。いくつもの特別な条件をつけないと、自国を守る行動をとれない。そんな国家はいまの世界には他に存在しない。
アメリカでもイギリスでも中国でも、あるいは北朝鮮でも韓国でも、自国を軍事力で防衛することは国家の自然な責務だという大前提が自明の理となっているのだ。
だがわが日本は世界でもまったく例外的な憲法によりその自明が自明ではないのである。この異様な状態を令和の新時代にはぜひとも変えねばならないと切望してしまうのである。
さていまの日本の憲法への私の基本的な考えを以上のように明らかにしたうえで、憲法とアメリカとの関係について報告したい。憲法の今後を考えるためにはアメリカという要素はきわめて重要であるのに、日本での憲法論議で意外とアメリカへの言及は少ない。
当然ながら日本の憲法は日本独自の課題である。そこに外国の事情や思惑を介入させる必要はない。ただし、この基本が原則であってもアメリカという国の意義は例外である。
▲写真 日の丸と星条旗 出典:在日本アメリカ大使館 facebook
その理由の第一は日本国憲法がアメリカによって書かれたという事実である。
第二には日本の憲法が縛る日本の防衛の欠陥をアメリカが補ってきたという現実である。
日本国憲法とアメリカとの関連について以上の二点を主体に私自身の体験を基礎として論考することとしたい。
憲法第9条を忠実に解釈すれば、日本は自国の防衛も禁じられているようにも思える。
いや、憲法の本来の趣旨としてはその解釈も十二分に成り立つのである。この点にも実はアメリカという歴史的な要因が作用しているのだ。
(その2につづく。全4回)
【註】この記事は日本戦略研究フォーラム季報(2019年10月刊行)に掲載された古森義久氏の論文の転載です。4回にわたって掲載します。
【追記 2019年10月15日9時30分】
・タイトルに「世界で目撃 日本国憲法の異端」追記しました。
トップ写真:新元号『令和』を発表する菅官房長官(2019年4月1日)出典:内閣官房内閣広報室
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