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超高層ビルはこれ以上必要か?その4~東京都長期ビジョンを読み解く!その77

Japan In-depth / 2019年10月17日 12時22分

ちなみに、建築設備耐震設計・施行指針のお陰で、高圧受電装置や排水設備の耐震性やガス配管などの安全性はかなり高くなっているし、非常用発電機の設置が義務づけられていることは記しておこう。


 


■タワマンでの防災マニュアルはある


さて、タワマンの防災について、行政では、各区などは「マニュアル」を作成し、行動を促している。これらの特徴は水害が範囲に含まれておらず、防災=地震対策になっている。水害まで考慮はできていなかったようだ。


しかし、「荒川右岸低地氾濫の場合、浸水世帯数約51万世帯、死者約2,000人」とも言われてる。



▲出典:大規模水害対策に関する専門調査会報告



出典:国土交通省 ハザードマップポータルサイトから筆者作成


どう考えても浸水域にはタワーマンションが数多くある。


利根川の東遷をはじめ、明治43年の東京大水害を契機にした荒川放水路の掘削事業など降の治水対策が功を奏したかもしれない(筆者の評価は違うが)。それでも、江戸時代は記録に残るだけでも大きな水害が市中で120回以上発生した。しかし、地球温暖化が進む中、もっと大きなものがくるかもしれない。風の巨大化は海面水温度上昇が原因なのだ。そもそも東京は「世界一危ない場所にある」。特に、堤防は都心部側を守るため右岸堤防は高くかつ厚く建設され、左岸堤防は低く・薄くつくられたため、依然江戸川区などは相当に警戒が必要だろう。


 


■早めの助けを!


タワマン建設の安全面に厳しく規制をかけてきたことは認めるが、やはりタワマン住民に防災についての事前周知、対策推進はもちろん必要になるだろう。町内会よりも住民とのコミュニケーションが難しいエリアだから余計にである。


今回は別だが、万が一、タワマンが被災する時は、他の多くの住宅も被災している。災害救助においても、すぐにでも着手できる低層住宅とは違い、高層まで助けに行くという困難があるのが事実。そのため、住民は優先順位的にも遅くなる可能性もあることも覚悟なり、考慮に入れた方がよさそうだ。


最後に。普通の暮らしすらできていない今、早くタワマンで被災している方を一刻も早く救っていただきたい。被災状況では普段の生活も成り立たないからだ。


次回はタワマン建設規制について考える。


 


トップ画像:タワーマンション(イメージ) 出典:flickr photo by Tadashi Okoshi


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