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英国人男性と妻、比で拉致

Japan In-depth / 2019年10月18日 14時56分

地元警察では拉致現場付近の監視カメラに残った映像をもとに作成した容疑者グループの似顔絵を公開するとともに犯人に結びつく情報の提供を報奨金付きで市民に呼びかけている。10月17日フィリピン軍関係者がアラン氏の家族に対して身代金5000万ペソ(約100万ドル)の要求があったことを明らかにした。ただ、「軍では身代金を要求したグループが実際にアラン氏とその妻の誘拐の実行グループであるかは確認がとれていない」として誘拐に便乗した組織が関係している可能性もあると慎重に裏付け捜査をしている。 


ミンダナオ島などフィリピン南部では外国人の誘拐事件がこれまでも相次いで発生しており、今年5月にはイスラム武装組織「アブ・サヤフ」に誘拐されたオランダ人男性の救出作戦中の銃撃戦でオランダ人が「アブ・サヤフ」に射殺される事件も起きている。


このオランダ人男性は2012年にスイス人と一緒に誘拐され、南部スルー諸島のホロ島で人質となっていたがスイス人は2年後に脱出して救出。オランダ人はその後も拘束されていた。


2016年4月にはその前年にやはり「アブ・サヤフ」に誘拐されていたカナダ人男性(68)が斬首遺体で発見されたこともあった。


「アブ・サヤフ」は近年、フィリピン当局の対テロ戦で組織が分断され、小グループに分かれて誘拐やテロ活動をしているとみられ、年々その残虐性が強まっている。


指導者とされたイスニロン・ハピロン容疑者はミンダナオ島マラウィ市の武装占拠事件での軍との交戦で死亡した。しかし後継者のハティブ・ハジャン・サワジャーン容疑者に率いられて2019年1月27日にはホロ島でキリスト教会への連続爆弾テロを実行し、20人以上が犠牲となっている。



▲写真 イスニロン・ハピロン容疑者 出典: Federal Bureau of Investigation


このほかにも10月5日の軍の発表で銃撃戦の末に7人が射殺されたイスラム系過激組織「モロ・イスラム解放戦線(MILF)」などもフィリピン南部を拠点にテロ活動を続けており、今回のアラン氏の誘拐事件に関わった武装組織がどこなのか、依然としてわからない状況という。


ミンダナオ島にはフィリピン政府による戒厳令(2019年12月末までが期限)が2017年以来延長を繰り返されて現在も出されていることもあり、日本外務省は海外安全情報の「危険情報レベル3」を出して渡航中止を勧告している。米政府をはじめとする35カ国政府も同地域を「外国人が誘拐されるリスクの高い地域」に指定して注意を呼びかけていた。


 


トップ写真:フィリピン南部ミンダナオ島南サンボアンガ州にあるビーチ 出典:Wikimedia Commons by Wowzamboangacity


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