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五輪マラソン「札幌」案の評価 東京都長期ビジョンを読み解く!その78

Japan In-depth / 2019年10月26日 23時0分

・平成29年度:209億円のうち、いくらか



ヒートアイランド対策の一つとして、暑さを緩和する遮熱性舗装、保水性舗装を路面補修工事に併せて実施している。2020年までにマラソンコースを含む都道において、舗装を累計約136㎞整備するとのこと。中日新聞によると「300億円」とも言われている。ただし、これはマラソンだけのための事業でもないのは注意しておきたい。


 


■ 北方領土発言はミス・・・・


小池東京都知事は「計画が唐突な形で発表された」「このような進め方については、多くの課題を残すものであります」と発言。しかも「北方領土でやったらどうか」という発言まででてしまった。


個人的に人の発言には、文脈やその人なりの価値観が反映されているし尊重しているものだが、今回はこの発言を若干考えてみたい。


都知事の立場的にはわかる。組織を仕切る人間としてなんとか反発することは仕方ないかもしれない。これまでも部下の頑張りを代弁、今後の交渉を有利にするためにいうことだ。しかし、都知事の政治家としての立場的にもまずい。軽口でもないし、嫌味としかいいようがない。


第一に、「アスリート・ファースト」という言葉を常日頃からいっているのに、ここにきて「東京ファースト」になっていること。ダブルスタンダードというのは正確ではないが、そう捉えられても仕方ない。


第二に、これまで何か代替え案を検討すべきだったのにしてこなかったこと。奥多摩、軽井沢、福島などでの検討を提案したのだろうか。東京での開催という制約はわかるが、アスリート・ファーストの理念を尊重し突き詰めて検討したようには見えない。


アスリートが灼熱で倒れてもええやん!東京五輪の花形として盛り上がればランナーが倒れようが棄権が出ようが知らんわ~とこれまでの行動は語っているようなものなのだ。これはちょっと・・・。本来、「涼しいところでできないか、という努力をこれまでしてきましたが・・・」と主張できた。


第三に、「北方領土」発言。皮肉としてはレベルが高くはない。皮肉として相手にきいていない。バッハさんはドイツの方で関係がない。さらに実現性も低い。札幌でも今からだと実現性が低いという意味で北方領土という当てつけをしたのかもしれない。すべてにダメダメである。


一番問題だと思うのが、五輪憲章で「スポーツと選手を政治的または商業的に不適切に利用することに反対する」とあるように、政治的中立が基本である。その意味で「失言」と言わざるを得ない。


 


■ マラソンにかけたお金はしゃあない



▲写真 出典:筆者撮影


これらの取り組みや費用が水の泡になってしまったかもしれない。それは本当に残念なことだ。しかし、酷暑の五輪マラソンでバタバタ倒れる選手や観客が倒れてしまっては元も子もない。さらに、東京が「暑くて大変」という映像が世界中に流れ、東京の夏の酷暑が必要以上に伝わってしまうことが避けられて、逆によかったのではないか。


トップ写真:オリンピックスタジアム 出典:筆者撮影


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