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ペルーフジモリ氏長女政界復帰か

Japan In-depth / 2019年12月6日 19時0分

 


■ 「政界復帰は確実」


こうした政治混迷化の中、憲法裁は11月25日、ケイコ氏側が出していた人身保護請求を認め、釈放を決定。ケイコ氏は出所に際し「当分は家族との時間を過ごす」と語り、政治活動を再開するかどうかは明言しなかった。


釈放によってケイコ氏の容疑が晴れたわけではなく、捜査は継続されるが、「彼女は依然としてFPの党首であり、政治の表舞台への復帰は確実」(ペルー有力紙「エル・コメルシオ」)との見方が有力。ケイコ氏は2016年の大統領選の決選投票で惜敗したものの、FP党首として議会を牛耳ったが、自身の不正疑惑の広がりなどから人気が急低下、支持率が数%台にまで落ち込んだこともある。一時は「フジモリ主義終焉の始まり」ともささやかれた。ところが、ごく最近のリマの世論調査では支持率が10%台まで回復するケースも見られる。一方、ビスカラ大統領の支持率は議会解散直後には80%近くまで急上昇したが、11月下旬の世論調査では60%に低下した。こうした世論の微妙な変化もケイコ氏の政界復帰への追い風になるのは間違いない。


 


■ 次期大統領選目指すとの情報も


ケイコ氏の釈放を機にFP内ではオデブレヒト社贈賄事件担当の検察官や同氏の身柄拘束を命じた裁判官に対し訴訟を起こすべきだとの声も上がっており、ケイコ氏の“逆襲”が始まるかもしれないとの憶測も流れている。ペルー政界では「ケイコ氏の釈放でFPが勢いづき、反転攻勢に出るのは確実」「1月の国会議員選挙は幹部連中に任せ、自分は2021年の大統領選出馬に向け態勢の立て直しを図るのがケイコ氏の戦略」など、さまざまな情報が乱れ飛ぶ。


検察側は、ケイコ氏の釈放を認めた憲法裁の決定に異議をとなえ、取り消しを求めるなどあわただしい動きを見せている。ケイコ氏は釈放後直ちに、在任中の人権侵害などの罪で25年の禁固刑で服役中の父親、フジモリ元大統領の収監先を訪れ、長時間話し合った。フジモリ元大統領は2年前、恩赦を受け一時自由の身となったものの、裁判所が恩赦無効と判断、今年1月からが昨再び収監されている。


現地メディアは「父親と面会では政治関係の話はしなかったとケイコ氏が語った」と伝えたが、FP幹部の一人は「党の再建と自身の政界復帰に関しケイコ氏が父親に助言を求めたのは言うまでもない」と述べている。ケイコ氏の“逆襲”ののろしが上がるかどうかはともかく、「再び彼女の一挙手一投足に目が離せなくなる」(リマの有力政治アナリスト)のは確かだろう。


(了)


トップ写真:フジモリ・ケイコ氏 出典:flickr photo by aiko300


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