トランプ弾劾次のステップは
Japan In-depth / 2019年12月8日 11時11分
大原ケイ(英語版権エージェント)
「アメリカ本音通信」
【まとめ】
・トランプ大統領弾劾に関し、下院諜報活動委員会がレポート公開。
・次は下院司法委員会が弾劾の条件相当性を審議。
・共和党側は時期尚早だと述べたうえで、問題の核心から目を逸らす作戦。
・司法委員会は、公聴会を終え次第弾劾の条文を上院に提出する。
ドナルド・トランプ大統領の弾劾裁判は、2週間に及ぶ下院諜報活動委員会による証人諮問会を終え、そのあらましをまとめたレポートが公開された。これは刑事法の裁判では、証拠が法廷に提出された段階に当たる。
次は下院司法委員会で、このレポートに書かれたトランプ大統領の行動が、弾劾の条件としてアメリカ合衆国憲法に記されているhigh crimes and misdemeanors(高度な犯罪と軽罪)に当たるかどうかを審議する。同委員会のジェリー・ナドラー委員長は、トランプ陣営側の弁護士を出席させるかどうかを確認したが、トランプ大統領はこれを拒否した。これまで散々「こちらの言い分を聞かないプロセスが不公平だ」と騒いでいたので、参加してしまうとその言い訳が通らなくなるからだろう。
初日の証言に呼ばれたのは4人の法学専門家で、民主党側が招いた3人、ハーバード大学のノア・フェルドマン教授、スタンフォード大学のパメラ・カーラン教授、ノースカロライナ大学のマイケル・ゲアハート教授は、これまでの歴史と法令を踏まえると、トランプ大統領は弾劾に値すると述べた。フェイルドマン教授は「個人的に有利な情報のために大統領の座を利用する人間を弾劾できなければ、民主主義国家とはいえない」と明言し、ゲアハート教授も「もしこのケースが弾劾に値しないのなら、他に弾劾できることはなくなる」と言い切った。
もう1人、共和党の招きで証言したジョージ・ワシントン大学のジョナサン・ターリー教授は、もちろん、諜報活動委員会のレポートに書かれていることが事実なら、弾劾に値する行為だが、まだ調査しきれていない部分があるので時期尚早だと証言した。
彼は19年前、ビル・クリントン大統領の弾劾裁判でも同じく法学専門家として証言しているが、その時は「(浮気とその隠蔽という)クリントン大統領の行為を弾劾しなければ、これからも同じようなことをする大統領が現れる」と言っている。それが今回は「もっと時間をかけて証明するべき」とはいうものの、クリントン大統領の弾劾はもっと迅速に行われているのだから皮肉なものだ。
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