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東京ユアコインって何? 東京都長期ビジョンを読み解く!その82

Japan In-depth / 2019年12月22日 23時26分

 


■ 東京ユアコイン、参加の条件が・・・


実際、詳細な実施概要はまだ決まっていないようだが、①はTOKYU POINTは、会員数251万人、ポイント付与数99億ポイントを発行する、東急グループ最大のポイントサービスだそうなので、それを最大限に活用して実施する。



▲図 【出典】三菱総研HPより


 


②の具体的なイメージは上記のとおりである。時差BIZ、ぷらゴミ削減、地区内消費などとっても地域課題解決の取組をすすめていくようだ。


①に参加するには、東急線を利用したPASMO定期利用者、TOKYU POINT登録者、東急ストアを利用する人、TOKYU CARDカード会員や決済で買い物をした人であることが条件である。なので、これ以外の人は参加できない。自由が丘や東京に関係ない人には関係ないということだ。社会実験的な要素もあるため、仕方ない部分もあるかもしれない。


 


■ それでいいの?問題は3つ


しかし、問題が3つある。


第一に、東京都でも特別なエリア、裕福な人であり、経済の中心地で、目立つところで実証実験をやることの意味である。はっきり言うと、成功確率が高いところで実証実験をなぜやるのかということだ。ここで成果が出たとしても、他の地域に広がるようには思えない。その後の広がりが想定できない。社会問題解決の「トリクルダウン」(上から下に流れる)を狙っているのだろうけど、それは現実的に難しいだろう。


第二に、一部の人、しかも相対的に恵まれた人たちにしかメリットがないものをなぜ行うのか。なぜお金持ちたちの人たちに5000万円もポイントを提供するのか。あまりに「上級国民」を優遇してはいないか。社会にとっていい行動をとった人に、ポイントと言う経済的利益を与える取り組みであるが、厳しい言い方をすれば、大企業や大企業に勤める人たち向けの利益誘導に見えてしまう。


第三に、公共政策の基本を押さえていないこと。本来ならSDGsの意識が都内で真ん中くらいのところにて行って、そこからの学びや知見を参考にするのが「公共政策」である。ポイント欲しさに参加するけど、その後、ポイントを取った人たちがどう意識変容するか、の言及があまりない。


最後に、厳しい言い方をすれば、理想は素晴らしいが、実態が追い付いていないようにも思える。とはいえ、こうした問題はあるが、是非頑張ってもらいたいものだ。実施にあたっては、成果が創出できるのか、目標値をどこに設定するのか、得た知見をどう進めるのかは厳しく問われなければいけないだろう。


トップ写真:イメージ 出典:Pixabay


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