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私のパフォーマンス理論 vol.47 -科学的思考と競技外の知識-

Japan In-depth / 2019年12月26日 7時0分

1、スポーツ科学


とはいえ、当たり前だがこれが一番重要で、スポーツ科学の中で何が正しいとされているのかをしっかりと調べることが大事だった。常にスポーツ科学もアップデートしているし、そもそもかなり自明の当たり前のことがスポーツの現場では共有されていないことがあるから、誰でも読めるようになっている本や論文を読むだけでも随分勉強できる。


2、人類史、進化論


農耕や産業革命を経た近代は人類史からすればほんの一瞬で、人類は多くの期間を狩りをしながら小さな集団で放浪して過ごしていた。近代はとても適応が起きるような時間軸ではない為に、基本的には人類は狩猟時代の環境に適応していると考える方が合理的だ。自分という存在の最も大きな枠組みである人類が、何に適応したかがわかっていれば考える際に参考になる。また、進化の基本的な枠組み(獲得形質は遺伝子しない、適者生存、適応は意図できない)を知っておくだけでも参考になる。


3、行動経済学、社会心理学


人間には認知の歪みがあるので、自分にどのような歪みがあるかを知っておくことが大事だ。社会心理学や、行動経済学の分野で、人間の認知の歪みで興味深いものがあるので参考になった。こちらも2に関連するが、人間が近代的な生活に入ったのは本当にここ最近で、適応している環境としては狩猟時代のものになる。この頃には生存に有利だったものが、現代においてエラーを起こすことがある。


4、ビジネス


ビジネスというと大袈裟だが、仕事の世界で当たり前とされていることがわかっていないと、自分の選択もうまくいかない。例えば競技者のプレゼンで特徴的なのは、自分の夢は書いてあるが、相手にとってのメリットと、収支(特に人が稼働する金額を見積り損ねる)が入っていないことがよくある。同じように何かが流行っている時はそれで得をする人がどこかにいることがほとんどだ。それはビジネスなので全く問題はないが、一体誰が得をするのかを考えておかないと流れがわからずただの駒になってしまう。


知識と言っても、詳しい人に聞いたり、簡単な一般的な本を読むだけでいい。それでも随分見え方が変わってくる。少なくとも、何か怪しげな落とし穴に嵌ることが減るので、是非お勧めしたい。


私は競技者にとっての科学的思考とは、普通にシンプルに考えるとどういうことかを徹底して行うことに尽きると思う。そしてその考えが正しいかを調べて検証する。例えば、自分が行く学校のコーチがいいコーチかどうかをオリンピック選手がいるかどうかで判断してしまいがちだが、年間何人の選手が入り何人が自己ベストを出しているかで判断してみると違う姿が見えてくる。コーチングより、ミダスタッチのように、ブランドで戦っているのかもしれない。幸い、スポーツの世界ではこのように真実を明らかにしてより選手の選択に有利なようにという動きが増えていて、昔よりもよほど考えやすくなっていると思う。


繰り返しになるが、競技者にとって大事なのは、証明ではなく機能させることだ。機能することは往々にして小学生にもわかるほど当たり前でシンプルだ。


トップ画像:Pixabay by DariuszSankowski


 


 


 


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