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日中首脳会談の失敗

Japan In-depth / 2019年12月27日 11時0分

日本側が中国当局のこうした不当、不正な動きを首脳レベルで提起することには意味があるだろう。なにしろ首脳同士では初めてのこの種の批判的な提起だからだ。



▲写真 会談の様子 出典:首相官邸HP


 


だがその一方、この一連の案件は中国側の不当な言動として、すでに長い期間、国際的にも、日本の国内でも、よく知られてきた事実である。いくら首脳レベルでの表明とはいえ、「なにをいまさら」とか「遅きに失する」という感じが否めない。要するにその諸問題自体も、その問題への言及も、なんの新しい要素はないのである。


さらに重要なのは今回の安倍首相の問題提起に対して習主席からはなんの前向きな反応もなかったことである。日本側が抗議しても、その抗議に応じて、現状を変えるというような態度は皆無なのだ。日本に対する年来の敵性のある一連の政策はなにも変えてはいないのである。


その政策を改めて具体的にあげてみると、まず尖閣諸島への軍事的な侵入、そして軍事手段を使ってでも尖閣諸島を奪取するという意図の表明、東シナ海の日本側の排他的経済水域での一方的なガス田開発作業、日本人の学者やビジネスマンの不透明な逮捕、拘束、さらには日本企業への差別的な扱い、年来の中国国民への反日教育などである。


中国が日本の安全保障政策に反対し、日米同盟自体にもその根幹で反発していることも年来、変わりはない。日本の首相が戦争で犠牲になった同胞の霊を悼むために靖国神社に参拝することにも露骨な抗議をぶつける中国の反日姿勢にも変化はない。


ではなにがいまのような日中首脳の顔合わせを実現させたかといえば、その理由はきわめて明白である。アメリカに全面攻勢を受け、日本をいくらかでも自陣営に引きつけて、対米闘争を有利にしようという計算である。日米を離反させようという企図でもある。だから中国のいまの対日姿勢は表面だけの微笑外交、みせかけの友好攻勢なのだ。


そんな現実のなかでの習主席の国賓としての来日が日本にとってどんなプラスの効果があるのだろうか。


トップ写真:日中韓サミットでの安倍主張と習近平国家主席の会談 出典:首相官邸HP


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