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私のパフォーマンス理論 vol.51 -なぜ私は金メダルが取れなかったのか-

Japan In-depth / 2019年12月30日 7時0分

 


4、走り込みをした。特にミドルスピード。


私たちの時代は、走り込みが必ず必要だと考えていた世代で、特に冬になると走り込みを多用した。これをやりすぎたことで一発で強い力を出し切ることができなくなり、95%程度の力の出し方に適応してしまったと感じている。特に、200-400m程度の距離を全力の80%程度で走る練習(私であれば50-54sec)は、弊害が大きかった。100%に近い出力で60m以下の距離か、またはもっとゆったりしたスピードで長い距離を走るか、200-400mで走り込むならもっとスピードレベルを上げてレストを短くし本数を減らし、セット数を減らすべきだった。またアスファルトの練習を避ければもう少しだけ現役時代が長かったのではないかと思っている。


 


5、コーチをつけなかった。ただメンター的な役割で。


コーチというよりも、経験豊か(競技以外も含めて)で、客観的な視点でアドバイスをくれる人間と組めればよかったと思う。いわゆる指導をしてくれるようなコーチではなく、もっと人生という長期の視点でフィードバックをくれたり、また質問をしてくれる人間がいればよかった。自分で自分をコーチングする上で二つかけていたものは、客観的な視点と長期的な視点だ。客観的な視点が欠けることで思い込みからしなくてもいい失敗をしてしまったことがある。また、現役の最中に社会の中における陸上競技の位置付けがよくわからなくなり、集中できなかったこともあった。あの時の2,3年は非常に大きな学びにはなったが、もしあの時期がなければ競技成績という点ではもう少し高いところに行っていた可能性もある。


 


もちろん、これらがなかったとした場合また別問題が起きている可能性があるので、思考実験のようなものだと思ってもらいたい。また、ここでの話はあくまで金メダルを取るという目的で話していて、人生において有益だったかどうかでは話をしていない。特にコーチをつけなかった経験は私の人生には大きくプラスではあったと思う。総じていうなら私の競技人生は、自分一人による試行錯誤の繰り返しだったが故に、競技を超えた普遍的な学びがあったと思っているが、もしこれを競技だけにある程度閉じて、且つ競技人生前半の経験が競技人生後半にどう影響するかの関係を理解した上であればもう少し高いレベルにはいけただろうと思う。


他人の失敗談ほど学びになるものはない。次世代の選手になんらかの参考になれば幸いだ。


トップ画像:Pixabay by StockSnap


 


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