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死語になるか「非正規社員」【2020年を占う・雇用】

Japan In-depth / 2019年12月30日 23時0分

東京や愛知など3都県の郵便局に勤務する契約社員が手当の差額計約1500万円の支払いなどを求めた訴訟では17年9月、東京地裁が「住宅手当などの不支給は違法」と会社側に計約92万円の支払いを命じたが、いずれも会社側が控訴に踏み切っている。


非正規社員約20万人を抱える郵政グループの賃金格差は年収ベースで約2倍と極めて大きいため、格差是正には時間がかかるとの認識だが、人手不足が深刻化する中で同一労働同一賃金制度の施行が経営側に与えるインパクトは極めて大きい。


郵政省時代には「物件費」扱いだった非常勤職員「ゆうメイト」だが、19年の春闘交渉で日本郵政グループは無期雇用の非正規社員約8万人にも扶養手当を新設した。また、日本郵政は65歳までの定年延長を20年度に満60歳に達する社員から適用する。20年春闘でも非正規労働者の処遇改善が焦点となろう。


連合は20年春闘で大企業と中小企業との規模間、正社員・非正規社員など雇用形態での格差是正を前面に押し出す。最低賃金引き上げも大きなテーマとなる。パート労働者などを含む企業内の全ての労働者を対象にした企業内最低賃金「時給1100円以上」を要求する。


また、正社員と非正規社員の格差是正に向け、最低到達水準として35歳(勤続17年相当)で月給25万8000円を示した。最賃の要求金額や給与水準を明記するのは初めてだ。


しかし、人材サービス大手・アデコの調査によると、19年春時点で大企業の7割以上が対応方針を決められていないことという。「すでに決まっている」と回答したのは全体の27.0%。最も大きな課題は「基本給」、次いで「賞与」「各種手当て」に関することだった。


「対応が決まっている」と答えた企業の回答をみると、52.1%が「非正規社員の基本給が増える見込み」、55.1%が「非正規社員の賞与が増える見込み」としている。


一方、通勤手当や住宅手当など非正規社員への各種手当てについては「厚くなる」が31.5%で、「変わらない」と回答した企業も44.9%と対応が分かれている。非正規社員の退職金については、「増える」が27.0%、「新たに設ける」が17.8%だった。


令和の時代には「非正規社員」という言葉は死語になるのか。20年はその試金石となろう。


トップ写真:デスクワーク イメージ画像 出典:piqsels


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