「アフガン・ペーパー」が語る真実
Japan In-depth / 2020年1月6日 11時0分
米国の戦略の失敗の理由には、まずアフガニスタンという国を全く理解していなかったということがある。当初「国家再建(nation-building)」を嫌っていたものの、自らのイメージで民主主義国家を構築するという誤ったアプローチを取った。
アフガニスタンは元々中央政府の力は弱く民主主義の土台も脆弱なものであった。また、多くの資金を有効に使う能力のない政権につぎ込むことにより、汚職を蔓延させ、国民の支持を失うはめとなった。世界の8割を占めるアヘン生産を破壊しながら代替となる資金源を提供できなかったことにより、民衆のサポートを失っていった。警察なども訓練したがまともな警察組織には育てられなかったとしている。
歴代の米政権はアフガニスタンからの撤退をスローガンにしてきたが、泥沼から抜け切れる状況にはない。タリバン側と直接交渉を行い和平への道を探ってきたものの、民主選挙で選ばれたアフガン政権を見捨てることもできない。米国は本当にこの泥沼から抜け出すことが出来るのか。真実を無視してきたことが明確な戦略を打ち出せないジレンマに米国を落とし入れている。
トップ画像:アフガニスタン紛争 2007年 サンギン地区 出典 米国防総省
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