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ゴーン、レバノンでも安息無し

Japan In-depth / 2020年1月7日 18時0分

 


検察当局はこの陳情書を告発として受理して、法的な判断を来週までにも下すことになったという。その結果、場合によってはゴーン被告はレバノンでまたまったく別の罪状により、刑事被告人になる可能性もあるわけだ。


 


ゴーン被告にとってのレバノンでの第二の危険は同国の政治闘争に巻き込まれ、人質のように利用される可能性である。同じAFP通信のベイルートからの報道によると、ゴーン被告はレバノンの現在の外相ジブラーン・バシール氏と親しい関係にあり、同外相の義父が現大統領のミシェル・アウン氏であるため、現政権とのきずなが強く、保護を受けられる見通しは高い。


 


しかしレバノンの政治はイスラム教派、キリスト教派、同じイスラム教でもシーア派とスンニ派、さらに親シリア派、反シリア派、テロ組織のヒズボラなど多数の敵対関係にある勢力が長年、激しい争いを続け、不安定をきわめる。現在のサアド・ハリーリ内閣も挙国一致のスローガンの下に結成されたが、なお激しい抗争が絶えない。



写真)サアド・ハリーリ首相


出典)flickr photo by libanlive


 


こうした政治情勢下では国際的な注視を集めるゴーン被告の処遇が政治抗争に巻き込まれる危険もあるわけだ。同被告がレバノン内部の政治勢力間の権力闘争の道具に使われる可能性を指摘する声もある。


 


「レバノン戦略問題研究所」の所長で政治学者のサミ・ネーダー氏はAFP通信に対して「ゴーン氏の身柄の扱いが各政治勢力の間での『政治フットボール』となる可能性がある。次期政権の権力掌握をめぐり、ゴーン氏の処遇を政治交渉の材料に利用する動きが出てきてもおかしくない。国際的な注目を集めるゴーン氏の扱いにはそれだけの政治価値があるわけだ」と論評した。


 


ゴーン被告にとってレバノンもまた安住、安泰の地とはならない展望もこのようにありうるわけである。


 

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