「ピラミッドは宇宙人が作った」 笑うに笑えぬ都市伝説 その1
Japan In-depth / 2020年1月15日 20時29分
「そんな宇宙人がいてたまるか」
で、この話は終わらせてもよいのだが、前にも述べたように、問題はどうしてこんな荒唐無稽な話が広まったか、という点だ。私は、こんなことを言い出したのは「欧米列強」の白人に違いないと考えている。
彼ら(全ての欧米人がそうだと決めつけてはいけないが)にとって、ギリシャ・ローマに端を発した西洋文明と、その後の産業革命を経て確立した近代科学こそが人類にとって唯一普遍的な文明なので、理解が及ばない文化や文明は、その存在自体が怪しげに映るのだろう。とどのつまりは、古代ギリシャの壮麗な神殿が作られるより数千年も早く、砂漠の中にあのような巨大建造物を作る文明が存在したということを、心のどこかで認めたくないのではないか。
実は日本の古代史に関わる都市伝説にも、同様の問題が見られるのだが、これについては次回あらためて見る。
その話はさておいて、私は宇宙人の存在そのものまで否定できるとは思っていない。
個人的な話をすると、小学生の時に数人の友人とともにUFO(当時はもっぱら〈空飛ぶ円盤〉と呼んでいた)を目撃した経験があるのだが、成長してからも、この大宇宙において、高度な科学文明に到達した生命体が我ら地球の人類を置いて他にないというのは、確率論的に無理があるだろう、と考えていたのだ。
▲写真 UFOイメージ 出典:Pixabay;Peter Lomas
しかしそれでは、いつかは『未知との遭遇』という映画のように、地球を訪れた宇宙人と交流できる日が来るのだろうか。あるいは、宇宙からの侵略者と戦うとか。
これもまあ、絶対にない、と決めつける根拠もないわけだが、20世紀の終わり頃、UFOやいわゆる超自然現象の研究家として、そこそこ有名だった人から聞かされた話が、今も忘れられない。
その当時(今にして思えば、一種の終末論だったのかも知れないが)、UFO研究家の間でトレンドになっていたのは、
「人類は結局、宇宙人と出会うことはないのではないか」
という考えなのだそうだ。
どういうことかと言うと、宇宙空間を自在に飛び回れるほどの科学技術を手に入れた生命体は、その反動と言うべきか、環境を破壊してしまったり、超近代的な兵器を用いての破滅的な大戦争を引き起こして、結局は滅びてしまうだろう、という世界観であるらしい。
なるほどそう言われてみれば、この地球上にも、自然環境の変化などによって滅びてしまった文明の痕跡がいくつもあるわけだし、無事に21世紀を迎えた今も、世界は相変わらずきな臭い。
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