トランプ弾劾 罷免にするかどうか上院で裁判開始
Japan In-depth / 2020年1月18日 13時0分
大原ケイ(英語版権エージェント)
「アメリカ本音通信」
【まとめ】
・トランプ大統領、「権力の乱用」「議会を妨害した」で弾劾訴追。
・個人弁護士がウクライナ政府との橋渡し役を大統領の指示と証言。
・弾劾裁判で罷免なしと高を括るも、大統領選への影響否定できず。
自らの再選のために違法にウクライナへの軍事支援金を差し止め、ライバル候補のジョー・バイデン前副大統領に関する汚職調査を発表しろと脅したとされる「ウクライナ疑惑」による弾劾訴追の決議は、15日、うやうやしいセレモニーを通じ上院に送付された。
訴追の条項は2つで、ウクライナ疑惑という大統領の座を利用した「権力の乱用」と、証人や資料の提出を徹底的に拒んで「議会を妨害した」ことだ。
ナンシー・ペローシ下院議長は、その書類に署名し、弾劾裁判管理人と称する検察役の7人が指名され、この書類を上院のミッチ・マコーネル議長に提出した。
ここで連邦最高裁判所の首席判事であるジョン・ロバーツが登場、彼が弾劾裁判の進行役となる。いつもはホワイトハウスでテレビ中継を見ながら「捏造だ」「フェイクニュースだ」とツイートする大統領がおとなしかった。
訴追条項は1ヶ月も前に下院で採択されていたが、この間にも次々とウクライナ疑惑を裏付ける証言や事実が出てきているが、もっとも物議を醸したのが大統領の個人弁護士であるルドルフ・ジュリアーニのウクライナ政府との橋渡し役(脅し役)として動いていたレヴ・パーナスなる人物がマスコミに出てきて「大統領の指示で動いていた」「マイク・ペンス副大統領も、アンドリュー・バー司法長官もみんなグルだ」などと発言したことだ。
▲写真 ルドルフ・ジュリアーニ氏 出典:Flickr; Palácio do Planalto
さらには汚職で知られていたウクライナのユーリ・ルスツェンコ元検事総長との取引でマリー・ヨヴァノヴィチ大使を国外追放にしようと企んでいたことも認めた。
パーナスは既に海外からの違法な選挙献金を集めた罪で逮捕され、保釈中の身だ。他にも既に議会で採決されたウクライナへの軍事資金提供を先延ばししたことは違法だという決定が下りたばかり。
トランプは、上院のマコーネル議長らが忖度して弾劾裁判にひとりも証人を呼ばず、なんの資料も見ないまま訴追状を却下する採決をとることを期待していたが、既にマコーネル議長の意に反して、このやり方に異を唱える共和党議員も出ており、これを強行するには票が足りないことを認めたかっこうとなった。
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