比、新型ウィルスで中国人観光客強制送還
Japan In-depth / 2020年1月26日 0時41分
写真)混雑するボラカイ島のビーチ
出典)Flickr; Kullez
地元紙「スター」や「フィリピンスター」などによると、保健当局は運輸省、入国管理局などと協力して1月23日に武漢からカリボ、アクラン空港に飛ぶパンパシフィック航空とローヤルエアー航空による週6便ある直行便の運航を同日以降全面的に停止する措置に踏み切った。
直行便の運航停止以前にボラカイ島などに到着している中国人観光客が今回の送還計画の対象で、25日までに178人を中国に向かうチャーター便に乗せて送還した。
さらに24日には143人、26日には178人、27日には135人の合計で634人を送還するとしている。
対象となる中国人観光客の中には30日のまでボラカイ島などに滞在する旅程だったグループも含まれているが、予定を繰り上げてチャーター機で例外なく送還させる方針としている。
★シンガポールのSARSの教訓生かした対策
ASEAN各国ではこれまでにタイで4人、シンガポールで3人、ベトナムで1人の新型コロナウィルスへの感染が確認されている。
各国とも国際空港や国際フェリーターミナルなどでの主に中国から到着する観光客などに対してサーモグラフィーや簡易体温検知器での体温チェックを厳しく実施しているものの、薬物服用で体温が下がった人やそもそも発熱を伴わない感染例も報告されていることなどから空港などでの水際対策がどこまで効果的か疑問の声も出ている。
2002年~2003年にかけてASEAN地域でも流行した「重症急性呼吸器症候群(SARS)」の際の対処を教訓として今回の新型コロナウィルスへの感染対策を講じているシンガポールでは、1月23日に中国から来訪してホテル滞在中に発熱症状を訴え病院に隔離して検査していた中国人男性(66)が同国で初めての感染者と判定され、その後新たに2人が確認され25日までに感染者は3人となった。
この最初のケースの男性が搭乗していた航空機の座席の周囲の乗客約30人、チャンギ空港からホテルまでに利用した交通機関、ホテルで接触した従業員などを素早く見つけ出して隔離、次々と検査を実施したのだった。こうした即応で幅広い範囲での感染阻止対策を実行できるのがシンガポールの強みといえる。
世界経済フォーラム(ダボス会議)出席のためスイスを訪問中のリー・シェンロン首相はテレビを通じて「国民はパニックに陥ることなく冷静に対処してほしい、政府はできる限りのことを全力で実施している」と国民に冷静な対応を呼びかけている。
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