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トランプ弾劾 ボルトンと女性2人

Japan In-depth / 2020年2月1日 11時0分

冒頭に触れたとおり、トランプ氏が、軍事支援の留保を「圧力」に、バイデン親子の不正捜査をウクライナ大統領に迫る「権力乱用」を行ったというのが民主党および主流メディアが追及する「ウクライナ疑惑」である。


バイデン親子の疑惑とは、息子のハンター・バイデン氏がエネルギー産業や東欧に関する特段の知識や実績がないのに、汚職問題で揺れるウクライナのエネルギー企業と高額(月収800万円程度)の顧問契約を結び、その間父のバイデン副大統領(当時)が同企業を担当する検事の罷免をウクライナ政府に迫ったとされるものである。ハンター氏自身、父が米国の副大統領でなければ自分が雇われることはなかったろうと証言している。


さて、民主党の弾劾提起に対するステファニク氏の反論の要点は以下である。


 ①ウクライナへの軍事支援を渋ったのはオバマ政権であり、トランプ政権は軍事支援を実施している


 ②ウクライナ政府がトランプ氏の「圧力」でバイデン親子の捜査を開始した事実はない


 ③バイデン氏の職権乱用疑惑はすでにオバマ政権時代の国務省がウクライナ政府に共同調査を呼び掛けており、トランプ氏が改めて調査を求めても何の問題もない


これら諸点をステファニク氏は公聴会の場で明快に示し、民主党側の証人から確認の言を取っていった。現在舞台を上院に移して弾劾裁判が進行中だが、ステファニク氏はメディアにおける共和党の「顔」の1人であり続けている。今後は中国、北朝鮮問題など外交面にも幅を広げて欲しいところだ。



▲写真 ニッキー・ヘイリー前国連大使(2017年7月19日)出典: United States Mission to the United Nations


女性ではもう一人、作年11月半ばに回顧録を出したニッキー・ヘイリー前国連大使(47)もトランプ氏の強力な援軍となっている。回顧録の基調は、国連や米政府内の旧弊を打破すべく闘ったヘイリー氏をトランプ氏が上司かつ同志として一貫して支えたとするもので、敵対陣営から人種差別主義者、女性蔑視などの批判を受けがちなトランプ氏としては、インド系で女性かつ将来の大統領候補の1人、ヘイリー氏の支援は有り難いだろう。


米保守派の間では、ステファニク氏の株が急上昇、ヘイリー氏の株が一段の上昇、一方、ボルトン氏の株は急降下した観がある。


トランプ弾劾が成立する状況には依然としてないが、政局との絡みも含め、この3人の言動には今後とも注目していきたい。


トップ写真:トランプ米大統領(2020年1月24日 ホワイト・ハウス) 出典:Public domain


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