「誰かが一石を投じなければ」原田義昭前環境相
Japan In-depth / 2020年2月10日 23時0分
細川珠生(政治ジャーナリスト)
「細川珠生モーニングトーク」2020年2月8日放送
【まとめ】
・レジ袋有料化はプラごみ削減に対する消費者意識を高める。
・福島第一原発の処理水「海洋放出」発言は専門家の言に依拠。
・福島第一原発の処理水問題は、地元感情を重視しつつ解決すべき。
今回のモーニングトークは、第四次安倍改造内閣で環境大臣を務めた原田義昭衆議院議員をゲストに迎え、政治ジャーナリストの細川珠生が話を聞いた。
■ レジ袋有料化
原田氏は昨年6月、レジ袋の有料化を義務付ける方針を表明し、プラスチックゴミ削減にむけた取り組みを開始した。細川氏はこの決断について、原田氏の考えを聞いた。
原田氏は、「プラスチックの廃棄物が海洋を汚染することは、すでに国際的な常識になっている。なんとかして食い止めなくてはいけない」と語った。プラスチックごみのうちレジ袋が占める割合は、多くはない。しかし、原田氏は、日常生活に直結した政策が消費者それぞれの意識を高めることを期待している。
現在、多くの消費者にとって買い物の際にレジ袋を使用することは、当たり前のようになっている。原田氏は、「今はあまりに世の中が豊か。本当に必要なものとそうでないものがあまり意識されていなかった」と指摘。レジ袋の有料化が、この状況を見直すことにつながるとの考えを示した。
環境省は、経済産業省、消費者庁と協力しつつ、オリンピック直前の今年7月をめどに、レジ袋の有料化を実施する方針だという。
■ 福島第一原発処理水
原田氏は、昨年9月、退任前日の記者会見で福島第一原子力発電所の問題に言及し、「処理水は希釈して海洋放出すべき」という趣旨の発言を行った。細川氏は、この発言に込められた原田氏の思いを聞いた。
原田氏は、環境大臣就任直後に福島第一原発を視察し、約1000個もの処理水タンクが並ぶ様子を目の当たりにした。東京電力に話を聞くと、はっきりした方針を持っていない様子だったという。原田氏は、「環境大臣として一つの方向を出すべきだと思った」と述べた。原田氏によれば、原子力規制委員会の更田豊志委員長をはじめ専門家は、処理水を再処理後に海洋放出することは科学的に安全だとしている。
しかし県民や漁業者は、科学的な保証に関わらず、安全性や風評被害について不安を抱く。原田氏は「1にも10にも、地元の皆さん、漁業者の皆さんの心配だけは取り除かなくてはいけない」と述べて、地元感情を重視する姿勢を示した。「科学的にデータを示しながら説明し了解を得る努力を続けなくてはいけない」、「風評被害について政府が責任を持つことを併せて制度を導入すべきだ」と主張した。この考え方は、自身の退任後も引き続き理解されているという。
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
社民・大椿裕子副党首「海はゴミ箱じゃない」原発処理水放出に言及 WHO基準は大きく下回る
よろず~ニュース / 2024年5月9日 7時5分
-
福島第1原発、処理水放出5回目 24年度初、7800トン
共同通信 / 2024年5月7日 13時3分
-
祖父は「原発デマ」で生きる希望を失った…福島在住ライターが「原発事故を利用する人々」に怒りを隠さないワケ
プレジデントオンライン / 2024年5月7日 10時15分
-
韓国の野党議員と共同で「福島汚染水」と風評被害を広める…なぜ立憲民主党は暴走議員を処分しないのか
プレジデントオンライン / 2024年5月4日 10時15分
-
中国、5回目の処理水放出に断固反対
共同通信 / 2024年4月19日 17時39分
ランキング
-
1「殺害も頼まれた」 那須2遺体 「指示役」を殺人容疑で再逮捕へ
毎日新聞 / 2024年5月18日 23時0分
-
2大阪・枚方市のマンションで19歳の女子大学生が刺され死亡、26歳無職男を殺人容疑で緊急逮捕
読売新聞 / 2024年5月18日 23時13分
-
3能登観光復興へ「輪広げる」 石川・七尾の道の駅が再開
共同通信 / 2024年5月18日 21時40分
-
4「戦争ではなく虐殺」 ナクバの日に合わせ、大阪でガザ侵攻抗議デモ
毎日新聞 / 2024年5月18日 21時23分
-
5岸田政権、台湾と協調維持 中国刺激回避も意識
共同通信 / 2024年5月18日 21時30分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください