1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

英国でまたも「離脱騒動」  何が違う?日本の皇室と英の王室 その1

Japan In-depth / 2020年2月15日 18時5分

 


早速、女王の呼びかけで「家族会議」が開かれた。詳細はもちろん明かされていないが、結論は「いいとこ取りなど認めない」ということであった。ヘンリー王子が最初に申し出たのは、王室費は受け取らない代わりに、パパラッチに取り囲まれるような状況での公務は今後引き受けたくない、ということで、日頃、


「王家の使命とは国民に奉仕すること」


と言っていたエリザベス2世女王にすれば、受け容れられる話ではなかった。



▲写真 エリザベス2世女王


出典: The Royal Family


 


問題のメーガン妃はカナダに滞在しており、この会議にはSkypeでの参加を希望したが拒否されたと伝えられる。この時点で彼女は、もはや王室の一員とは見なされない、と宣告されたも同然であった。マスコミの論調も、こんな「いいとこ取り」を言い出したのはメーガン妃の差し金に違いない、という点で、ほぼ一致している。


 


英国民の間でも彼女に対する評価は今や地に落ちているが、これについては次回もう少し詳しく見ることにする。


 


会議の結果だが、すでに述べたように「いいとこ取り」は認められず、夫妻についてはロイヤル・ハイネス(殿下・妃殿下)の継承を今後用いられない、言い換えれば王室から離脱する、ということになった。


 


ただし、王位継承権とサセックス公爵の称号はそのままで、税金を原資とする王室費は今後支給されなくなるが、領地からの収入は継続されるので、実質的には年収が5パーセントほど減るに過ぎない。もう少し正確に言うと、領地からの収入はひとまず皇太子の懐に入り、王子は分配金をもらっている。邦貨にして年額およそ3億円だとか。


 


加えて夫妻は今後、カナダでファッション関係のビジネスを展開する予定だとも伝えられ、要するに王室から離脱しようが、経済的には「痛くも痒くもない」わけだ。


 


ヨーロッパの王家はどこもそうだったが、英国王室は大地主だ。農地などの地代に加え、リゾートホテルも建っているので、悪く言えば巨額の不労所得が得られる。


 


意外に思われるかも知れないが、我が国の皇室も戦前は大地主で大株主であった。


 


もともと鎌倉時代に権力が武士の手に移って以降、皇室の暮らしは質素どころか貧しかった。世界遺産はもとより国宝に指定される宮殿さえないのが、ひとつの証拠である。上洛した戦国武将が同情して献金した例はいくつもある。


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください