「IR問題、立ち止まり考え直すべき」杉尾秀哉参議院議員
Japan In-depth / 2020年2月18日 23時0分
細川珠生(政治ジャーナリスト)
「細川珠生モーニングトーク」2020年2月15日放送
【まとめ】
・IRが成長戦略であることの根拠が曖昧。
・観光立国を柱にすれば、カジノは必要ない。
・カジノに反対する世論に訴えていく。
今回のモーニングトークは立憲民主党の杉尾秀哉参議院議員をゲストに迎え、政治ジャーナリストの細川珠生がIR廃止法案について話を聞いた。
杉尾氏は、野党共同会派と共産党が共同で提出した「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律及び特定複合観光施設区域整備法を廃止する法律案」(通称「IR推進法・整備法廃止法案」)を衆院に提出した。杉尾氏は、野党共同会派の内閣部長として同法案の取りまとめを行った。細川氏はこの法案を提出した理由を聞いた。
杉尾氏は、外国企業による政界への工作やギャンブル依存症などの懸念点をあげた上で、「ここは一度立ち止まって、もう一度考え直すべきだということで、IR廃止法案を提出した」と述べた。
細川氏は、日本はカジノの後発国であり、賛否が分かれていることを指摘し、「対策をしっかりとり、真っ当なものであれば、カジノ自体をどう考えるか」と質問した。
杉尾氏は政府がIRを成長戦略としていることに対して「誰かを不幸にしてそれを踏み台にする成長戦略がありうるのか」と政府の姿勢に疑問を呈した。また、アメリカのアトランティックシティやシンガポールのマリーナベイ・サンズを例に出し、カジノによる経済成長が一時的なものであると指摘した。そして「後発国の日本がカジノに参入してどれだけ外国の客が来てくれるのか。逆に外国の企業が日本にカジノを作ろうとしているのは1800兆円という日本人の個人資産を狙っているのではないか。」と述べ、成長戦略の根拠が曖昧であるの見方を示した。
細川氏は、IRによってどこを成長させるかに関して、国会答弁で曖昧な答えが出ていると指摘し「どのくらい税収が上がるのかきちんと計算されているのか、不透明だ」と述べた。その上で、「(IRを)やめた場合日本の経済状況はどうしたら上がっていくのか、あるいは持続性のある産業が育っていくのか?」と聞いた。
杉尾氏はこの質問に対し、マリーナベイ・サンズを持つシンガポールが200%弱成長をした期間の中で、日本はカジノがなくとも3倍以上伸びたことを指摘し、観光を立国の柱にすれば必ずしもカジノは必要ないと述べた。また、都市と地方の格差が開いている現状を指摘し、「地方の中で経済を回していくことが大切だ。そのためにはエネルギーの地産地消や、第一次産業の活性化など(やるべきことは)色々ある。それとカジノは結びつかない」と述べ、政府はカジノよりも地方活性化に力を注ぐべきだとの考えを示した。
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