感染拡大の元凶は記者クラブ
Japan In-depth / 2020年2月29日 23時0分
厚労省の会見やレクチャーには医療や薬学の専門媒体や専門記者の取材機械は大きく制限されている。対して記者クラブの記者のほとんどは医学や薬学や厚生問題の専門知識がない。単に会社の辞令で配属されただけで厚労省という役所担当になっただけだ。多くの記者は会見でも質問もせずにカタカタとラップトップで大臣や官僚の発言を書き留めているだけだ。これで国民の知る権利を担保できるわけがない。
知らない人が意外に多いが、官庁の会見の多くは官庁自身ではなく、記者クラブが主催している。だが記者クラブは町内会などと同じ、民間の任意団体にすぎない。しかも国民や報道関係者が記者クラブを報道関係者の代表として選んだわけでもない。単に自分たちは報道の代表であると僭称しているだけの団体である。ある意味アパルトへイトやナチスの白人、アーリア人至上主義、共産国の共産党の、自分たちが労働者、自民の代表であるというプロレタリアート独裁と同じメンタリティの主張だ。そのような一任意団体が記者会見を主催しているのは醜悪かつ異常である。
記者クラブ会員の新聞社やテレビ局では殆どの記者はジェネラリストと言えば聞こえはいいが、多くの分野を転々としているので専門知識がない。例外的に専門記者もいるが、経費削減のために減らされている。つまり記者クラブの記者は素人で、記者として訓練は受けていても、その分野の素人である。
その素人が記者会見やその他の取材機会から専門家を排除しているのだ。それだけではない。記者クラブは当局が困るシビアな質問をしない。そういう質問をすると後で役所から意趣返しで、その社だけ情報を知らされずに、いわゆる「特オチ」を強要されることがあるからだ。
記者クラブは当局と摩擦を起こさずに癒着して当局から独占的に情報を得ることで、利益を得ている組織である。記者クラブの仕事は報道でも権力の監視でもなく、当局となれ合いの関係を続けて、情報を独占することだ。やっていることは報道機関ではなくPR会社である。これが諸外国から日本の報道が発表ジャーナリズムと揶揄される所以である。
筆者の専門は軍事だが、防衛省でも全く同じだ。防衛省記者クラブの記者の多くは専門知識や取材経験が欠けている。長年軍事について勉強したわけでもなく、諸外国の軍隊や軍事産業を取材したこともない。せいぜいが在日米軍だけという記者が多い。日本の防衛問題が得てして神学論争になるのは記者クラブがまともな防衛報道と、防衛省の監視をしてこなかったからだ。
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