トランプ選対Wポストも提訴
Japan In-depth / 2020年3月10日 18時0分
古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視」
【まとめ】
・トランプ選対、WポストとCNNを名誉棄損の罪で正式に告訴。
・米の公的な名誉棄損には、報道側に悪意や敵意の証跡が必要。
・大手メディア「偏向」に正面から対決姿勢取るのはトランプ陣営が初。
アメリカのトランプ大統領の再選を目指す「トランプ再選運動本部」はニューヨーク・タイムズに続いてワシントン・ポストとCNNテレビをあいついでトランプ氏に対する名誉棄損の罪で正式に告訴した。この両メディアとも反トランプ、親民主党の基調で知られ、トランプ大統領から「アメリカ国民の敵」とか「フェイク・ニュース」とののしられてきた。
トランプ再選本部は今回もこの両メディアの「トランプ陣営とロシア政府との共謀」という報道などを虚偽として訴えを起こしたが、今年の大統領選でのトランプ陣営と主要メディアとの正面衝突がはやくも構図を明らかにした。
ただし現職大統領の再選支持母体が主要メディアを訴えるという実例はなく、アメリカ国政のなかでのメディアの役割に新しい法的な要素が注入されることともなりかねない。
トランプ再選運動本部は2月26日、ニューヨーク・タイムズに対する訴訟をニューヨーク州最高裁判所に起こしたのに続いて、3月2日、ワシントン・ポストへの名誉棄損の訴えをワシントンの連邦裁判所に提出した。
訴状はワシントン・ポストが2019年6月に掲載した2本の記事に「トランプ氏は2016年のアメリカ大統領選にロシア政府の介入を求めた」とか「トランプ氏は2020年の大統領選でもロシア政府の介入を歓迎している」という記述があったのはいずれも虚偽だとして、トランプ氏の名誉の毀損と今回の大統領選での損害を訴え、数百万ドル単位の賠償を求めている。
トランプ大統領は民主党寄りの大手メディアが長い期間、報じてきた「2016年選挙でのトランプ陣営とロシア政府との共謀による投票結果の不正操作」という疑惑を完全に虚構だとして否定してきた。トランプ陣営ではその主張の最大の根拠としてモラー特別検察官による「ロシア疑惑」捜査の「訴追に値する不正の事実はなかった」という結論をあげてきた。
トランプ再選運動本部は3月6日にはCNNテレビを同じ趣旨の名誉棄損でジョージア州アトランタの連邦裁判所に訴えた。
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