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新型ウイルス中南米経済直撃

Japan In-depth / 2020年3月16日 13時51分

 


■ 最も影響受けるのはチリ


だが、中南米経済回復のシナリオはコロナウイルスの影響で大きく狂う可能性が強い。例えば、IMFの調査では、新型コロナウイルスの影響により、今年の中国の経済成長率が6%から5%に1%下落すれば、チリおよびペルーのGDPは0.3-0.5%低下するとされている。チリが最も大きなマイナス影響を被るとの見方が中南米の専門家や米国のアナリストの間で支配的なっている。前述のようにチリ経済の対中依存が特に大きいためである。


しかも、チリの場合、輸出収入の約半分を主要産品の銅鉱石に頼っており、中国が銅の輸入を制限したりすれば、たちまちチリ経済は苦境に陥るという構造的弱点を抱えている。チリ経済は昨年秋から冬に起きた大規模な反政府デモで大きな損失を出したばかり。さらに対中輸出減少となれば重大な打撃を受ける。加えて、銅の国際価格がコロナウイルスの汚染拡大以後、急落していることも、チリ経済の脆弱性を増幅させる恐れがある。


中南米の専門家の多くはコロナウイルスによる中国経済の減速の影響に関し、チリに次いでペルーやエクアドルが深刻なダメージを受け、ブラジルやコロンビアも経済の悪化が避けられないととし、中国が第3の輸出先であるアルゼンチンにとっても痛手は大きいと予想する。米国の中南米問題シンクタンク「インターアメリカン・ダイアログ」(IAD)の専門家は「中国でコロナウイルスの感染拡大が今春ごろまでに抑え込まれれるどうかが、今年の中南米経済の動向を大きく左右するカギ」と述べている。(了)


 


トップ写真:チリ・サンディエゴの街並み 出典:Flickr; David Berkowitz


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