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NY、「ロックダウン」目前

Japan In-depth / 2020年3月29日 18時0分

親としては加えて、この環境が続くと子供の学力維持の心配もあり、一日も早い学校再開を望みたいが、学校再開どころか、世の中はますます予測不可能な方向に向かっている。


毎日のニューヨークでの新規の感染者数、死亡者数増加(3/28現在)の発表が気分をさらに憂鬱にさせる。ここでは医療崩壊が加速して、もはやとどまるところを知らないように見える。


 


■ NY医療の現状


毎日の生活の中、外出は買い物の行き帰りだけでまったく気が付かなかったのだが、昨日、近所の大病院の前を通りかかると、裏側の道路を全部閉鎖して、ドーム型の大きなテントの設営が行われていた。規模とタイミングから見ると、コロナウイルスの検査などの関連施設をつくっているらしい。



▲写真 マウントサイナイ病院裏手に設営中の医療テント 撮影:筆者


自分の生活圏内で実際そういう施設が作られている現実を目の当たりにして、少なからずショックを受けた。


今やニューヨークは世界一のコロナウイルス感染の震源地になってしまった。市全体から見れば、私ら家族が住む地域は爆発的感染が起きた病院があるところからそう離れてはいない。


命がかかった危機がまさに今そこまで迫ってきている切迫感が尋常ではない。


帰り道、途中にある公園では、多くの若者がバスケットボールに興じていた。



▲写真 3/27、公園でバスケットボールに興じる若者たち。マスクをつけている若者もいる。撮影:筆者


 


■ 「ハードロックダウン」が来る日


この一週間あまり「ソーシャル・ディスタンス(社会的距離)」という言葉を聞かない日はない。メディアを通して盛んに伝えられ、州知事や、市長は会見で、とにかく、他者との物理的距離を取ることの重要性を繰り返し訴えている。市長は公園などでの複数人数で行うスポーツを禁止する通達を出した。市長は、もし市民がルールを守らないならばまず公園を閉鎖する、と警告している。



▲写真 「公園は消毒していません。使用は自己責任で」との告知。「6フィート(約1.8メートル)のソーシャル・ディスタンスを取ること、人数制限あり」と明記。 撮影:筆者


最初に書いたが、今のニューヨークはまだ厳密な意味での「ロックダウン」の状態にはない。本当の「ハードロックダウン」は、公共交通機関を停止し、橋、トンネル、道路を封鎖し、外出禁止の例外規定をより厳格化し、違反者には罰金を課したりもする。公園閉鎖はその第一段階になりかねない。


個人的には現在の状態は残念ながら、少なくともまだ数ヶ月は続くものと覚悟しなくてはならないと思っている。いずれは制限が解除されるものと信じているが、問題はそれが「いつ」になるかということだ。


日々、厳しい日常を強いられているニューヨーカーで、元の生活が戻ってくるのを望まない住人は一人もいないと信じている。だがこれが一日もはやく実現するかどうかは、文字通り、一人ひとりの行動にかかっているのだ。


東京も近く、首都封鎖の可能性も考えられている、と聞く。現在の日本の状況を眺めていると、多くの人にとって起きるかもしれない首都封鎖は現実感がないのだろうか、と思ってしまう。


(了)


 



▲動画 youtube(Japan In-depth)より 撮影:筆者


トップ写真:マウントサイナイ病院のER入り口「面会禁止」の張り紙 撮影:筆者


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