真の脅威はインフォデミック(下) ウイルスより人間が怖い 2
Japan In-depth / 2020年4月1日 18時0分
「若くて健康な人であれば、たとえ感染してもそう簡単には死なない」
のであって、どこの暇人がそんな「兵器」の開発に血道をあげるというのだろうか。
これはおそらく、デマではなく単に「ビリギャル的誤解」ではあるまいか。
▲画像 新型コロナウイルス 出典: CDC twitter
本誌でも古森義久氏が紹介していたが、中国人民解放軍の関連施設であるウイルス研究機関があり、そこで、新型コロナウイルスに感染した実験動物が、誤って施設の外に出されてしまった可能性があると、中国人研究者が証言した。このような情報が誤解されたまま拡散したのかも知れないが、いずれにしても不確実で、あくまでも私見であると明記しておくが、
「中国の市場では、野生のコウモリや野ネズミが、そのまま食材として売られているので、それが感染源だ」
という説の方が説得力があるように思う。
かねて中国の食文化について、
「四本足で食べないものは机だけ。飛ぶもので食べないものは飛行機だけ」
などと言われてきたし、有名な『美味しんぼ』という漫画(雁屋哲・原作 花咲アキラ・画 小学館)でも、その「食に対する情熱」が幾度となく賞賛されていたが、世界中の観光地で中国人の姿を見かけないことはない、という昨今であれば猶更のこと、衛生管理にも少しは情熱を傾けてほしいものだ。
一方では、こんな問題もある。
新型コロナウイルスが、もっぱら中国人の観光客や移民労働者によってもたらされた、という話が広まったため、各地でアジア系住民に対する排斥の動きがあり、とりわけ歴史的にこの問題が深刻な米国西海岸では、当のアジア系住民を中心に銃の売り上げが伸びているという。彼らの心配が杞憂に終わることを願うしかない。
3月に入ってから、ヨーロッパでの感染拡大が相次いで伝えられ、特にイタリアの深刻さが報じられている。3月20日段階で、死者4000人を超えたとか。
これについても、中国人の移民労働者が多いからだ、という言説が拡散した。
米国西海岸やブラジルの方が、中国系移民の密度ははるかに高いのだが、どうしてイタリア以上に深刻な事態とならないのだろうか。
この理由は割合簡単で、イタリアは10年来の経済危機で医療機関の閉鎖が相次ぎ、残った病院でも人手不足が深刻で、つまりは医療崩壊の状態にあった。
最近ようやく回復の兆しが見えてきたと伝えられていたが、その出鼻をくじかれたというか、最悪のタイミングでパンデミックに巻き込まれてしまったのである。
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