人の移動と新型ウイルス拡大
Japan In-depth / 2020年4月8日 19時0分
▲写真 ゴーストタウンと化したイタリア・ローマ市郊外の大型ショッピング・センター Parco Leonardo(2020年4月2日撮影)。
出典: flickr; Nicola
米国でも人の移動によって感染が国内で拡大したため、感染地からの人の移動を制限する動きが多々起きている。特にニューヨークがシアトルを抜いて最大の感染源となる中で、ニューヨーク市の富裕層は、ロングアイランドのサフォーク郡や北部のアップステート、ニューイングランド地方などにあるセカンドハウスに身を寄せた。
さらに、気候のよいフロリダ州などにも殺到した。ところが、それらの地域で感染が拡大したため、移動先でニューヨークからの人の移動を禁止する動きが頻繁に起こるようになった。特に車での移動の場合はナンバープレートで分かるため、街の入口で拒否されたり、ホテルやモーテルなどでも予約や宿泊が断られるケースが起きている。しかし、人の移動は全国的なロックダウンが無ければ難しい問題だ。
ニューヨーク市の場合、5つの区のうち、富裕層の多いマンハッタン区の感染者は他の区と比べて比較的少ない。4月4日の時点で、一番多いのはクウィーンズ区で20000人余り、ブルックリン区が17500人余り、ブロンクス区が12300人余りだが、マンハッタン区は9300人余りとなっている。スタテン島区は人口が少ないこともあり、4000人余りだ。人口が密集し、中間層や低所得者層が多い地区に感染者が多いことが分かる。富の格差が感染者数の格差にも繋がっていることになる。
ワシントンポスト誌は、4月5日の記事で貧富の差と感染者数を分析している。一般的には富裕層が多い地域での感染者数が多い。これには人口密集度との関係がある。大都市は地方と比べて裕福だが、人口が密集しているため感染者数が自然と多くなる。
しかし、ニューヨークのような大都市内での感染者数を比べると、低所得者層は賃金を稼ぐ必要があることから配達や食料品店、政府関係の仕事のために外で働くことが多い。そのため、感染の危険度が高いことになる。そのため、検査の数も多く、結果的に感染者数増大に寄与している。ニューヨーク保健当局の郵便番号をベースにした統計では、所得平均値が高いところ程陽性の割合が低くなる。結局、ニューヨークのような豊かなところでも、貧しい層がより多くの感染者になっているという結論である。
▲トップ写真 新型コロナウイルスは国境を越えた人の移動で感染が拡大した。写真はスイス・チューリッヒの駅でのワンシーン(2020年3月27日撮影)
出典: flickr; Silvision
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