サプライズ無き緊急事態宣言
Japan In-depth / 2020年4月11日 18時0分
理由は簡単、日本の意思決定プロセスは常に「状況対応」型であり、「率先指導」型ではないからだ。これは黒船による明治維新の頃から殆ど変わっていない。欧米式に「率先指導」して万一失敗すれば責任が生ずる。誰もが「開国は不可避」と考えるコンセンサスが出来るまで決断を待つ「状況対応」型なら、責任問題は生じないのだ。
もうこのくらいにしておこう。日本の意思決定過程には欧米と異なるルールがある。「それで何が悪い」と開き直るしかないのだから。ところで、今週も先週と同様、世界各地の外交的動きは鈍いまま。当然だろう、各国ともCOVID-19対応で忙殺されているからだ。ウイルス関連以外のトピックスも拾ってみた。
〇アジア
朝鮮日報が、「北朝鮮には新型ウイルス感染者が1人もいない」とする労働新聞の記事を報じている。理由は「世界で最も優れた社会保険制度」だそうだ。検査もできないくせに、何故感染者ゼロなどと言えるのか?「不思議の国の金正恩」である。
〇欧州・ロシア
英首相の容態が気になる。55歳だから未だ年寄りではないが、もう若くもない。ところで英国のEU離脱騒ぎはどうなったのか。ウイルス騒ぎでそれどころではないか。
〇中東
サウジアラムコが先月に続き、月次公式販売価格(OSP)発表を延期した。原油相場急落を受けサウジとロシア間の亀裂は解決しそうにない。サウジは本気なのか?
〇南北アメリカ
米大統領選では、複数の選対幹部から民主党サンダース候補に撤退を促す声が出始め、同陣営が分裂しているそうだ。これを日本語では「弱り目に祟り目」という。
〇インド亜大陸
特記事項なし。今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きは今週のキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。
トップ写真:緊急事態宣言の検討状況についての会見を行う安倍総理 出典:首相官邸
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