人類と感染症 1 「ペスト」発生源は中国か
Japan In-depth / 2020年4月15日 13時19分
写真)イタリア フィレンツェの日没
出典)pixabay by 27707
当時、フィレンツェに住んでいたボッカチオは「デカメロン」という作品で感染力の凄さを描いていた。
「ちょっと病人と話をしたり、ときどき訪ねて行ったりしただけでも、健康体に感染して、同じように死んでしまったり、甚だしきは、病人の着物とか、病人のさわったり、使ったりしたものはなんでも、それにさわると、たちまち感染するのでございました」。
医師からの悲鳴も記録されている。
「医師は何の役にも立たなくなり、感染を怖れて患者の家に敢えて足を踏み入れない、というような恥ずべき状態になってしまった。もっとも、仮に患者を往診したとしても、医師としてやれることはほとんど何もなかった」
写真)Saint Sebastian Interceding for the Plague Stricken
出典)Josse Lieferinxe
結局、ヨーロッパの人口の3分の1は、ペストで犠牲になった。それではこのペストはなぜ、ヨーロッパでまん延したのか。
浮かび上がるのは、当時もまた、中国だ。1333年に干ばつと飢饉に見舞われている。その翌年、なぞの疾病が流行っている。それがペストというのだ。この疫病で中国の人口は半減したと言われる。
当時は元王朝だ。ペストとみられる疫病が、シルクルードを通って、ヨーロッパにたどり着いた可能性がある。ヨーロッパに運ばれた毛皮についていてノミが“運び屋”だったという。また、ネズミが交易に交じってヨーロッパにまでたどり着いたという見方もある。
いずれにしても、中国が勢力を拡大する中で、ペストは世界的な大流行となった。ヨーロッパの人口はそれまで増加していたが、このペストの流行で、一気に減少に転じた。そして、時代は大きく転換した。どんな時代となったか。次回お伝えする。
(2、3に続く。全3回)
トップ写真)CHINA, Silk Road, Dunhuang
出典)flickr by Suriaa
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
コロナ新しい変異株「XEC株」はどんなウイルスか 「冬の対策とワクチン接種の是非」を医師が解説
東洋経済オンライン / 2024年11月26日 9時0分
-
がん予防の実現に向けて
PR TIMES / 2024年11月21日 19時15分
-
和解金2400万円で合意 重症コロナ肺炎で入院した患者がレジオネラ肺炎で死亡する医療事故 病室の蛇口からレジオネラ菌が検出 《新潟》
TeNYテレビ新潟 / 2024年11月20日 12時34分
-
子育て世帯で大流行のマイコプラズマ肺炎…家族ドミノを起こしがちな「やっかいな理由」を感染症医が解説
プレジデントオンライン / 2024年11月14日 17時15分
-
モデルナ調査、日本の新型コロナワクチンの接種意向はアジアの5市場*で最低に
PR TIMES / 2024年11月13日 17時45分
ランキング
-
1時速194キロ暴走は危険運転 遺族「当然の判決」 量刑には疑問も
毎日新聞 / 2024年11月28日 21時0分
-
2大阪維新、岸和田市長を調査へ 吉村代表「トップとして判断」 女性との性的関係巡り
産経ニュース / 2024年11月28日 22時23分
-
3男女の従業員が客を接待…“ミックスバー”と呼ばれる風俗店を無許可で営業か 代表の26歳男を逮捕 容疑認める
東海テレビ / 2024年11月29日 6時54分
-
4セブンの一部店舗、「万引き犯」とされる人物の顔写真を公開 SNSでは賛否両論...本部の見解は?
J-CASTニュース / 2024年11月28日 18時48分
-
5原発の汚染水処理めぐり12億円を詐取か…64歳の会社役員の男を逮捕 架空の発注があったかのように装った疑い
MBSニュース / 2024年11月28日 19時40分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください