人類と感染症5 スペイン風邪、突然変異で狂暴化
Japan In-depth / 2020年4月19日 0時7分
ボストンではすぐに市民に流行した。当時は第一次世界大戦のさ中だ。愛国心を鼓舞するパレードに多くの兵士や市民が参加。お互いに咳やくしゃみをしながら、まん延した。
スペイン風邪は瞬く間に、軍関係者から市民に広がった。とりわけ、陸軍の兵士は、アメリカ内陸部にいて、全米の各地にインフルエンザを運んでいた。全米に敷かれた鉄道網が、流行を後押しした。
感染は、ボストンで始まり、東海岸の都市に広がり、次第に西に向かった。2週間ほどで西海岸に到着した。
流行が深刻だったのは、田舎よりも都市部だった。アメリカの都市部では、田舎や、海外の貧しい国から人々が移住していた。彼らは公衆衛生の知識が乏しかった。密集して暮らす人々の間で、感染は一気に広まった。
当時はデマも流された。ドイツ軍のスパイがアメリカの劇場などでスペイン風邪の病原体をまき散らしたというのだ。アメリカのメディアもこの話に飛びつき、一面に記事を掲載する新聞も現れた。戦争とパンデミックがまじりあい、狂気の時代だった。
2波にわたって、人類を脅かしたスペイン風邪。なぜこれほどまでに感染が拡大したのか。そして人々は何も手を打たなかったのか。次回は、そうした側面に焦点を当て、お伝えしたい。
(続く)
トップ写真:U.S. Army Camp Hospital No. 45, Aix-Les-Bains, France, Influenza Ward No. 1. Influenza pandemic ward during World War I.(2018)出典:U.S.Army
-
- 1
- 2
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
鼻にスプレーするだけの「フルミスト」か注射か…小児科医が解説「インフルエンザワクチン」2タイプ徹底比較
プレジデントオンライン / 2024年11月27日 16時15分
-
風邪の初期症状の正しい理解と市販薬の使い方を知る…「ひき始めに服用する」わずか4%
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月26日 9時26分
-
コロナ新しい変異株「XEC株」はどんなウイルスか 「冬の対策とワクチン接種の是非」を医師が解説
東洋経済オンライン / 2024年11月26日 9時0分
-
薬不足が深刻で入荷“1か月待ち”も… インフル・マイコプラズマなどが感染増加するなかで コロナ新変異株「XEC」日本でも感染拡大【news23】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月22日 11時30分
-
新感染症に備え訓練 滋賀県と大津市など連携
産経ニュース / 2024年11月22日 11時5分
ランキング
-
1時速194キロ暴走は危険運転 遺族「当然の判決」 量刑には疑問も
毎日新聞 / 2024年11月28日 21時0分
-
2大阪維新、岸和田市長を調査へ 吉村代表「トップとして判断」 女性との性的関係巡り
産経ニュース / 2024年11月28日 22時23分
-
3男女の従業員が客を接待…“ミックスバー”と呼ばれる風俗店を無許可で営業か 代表の26歳男を逮捕 容疑認める
東海テレビ / 2024年11月29日 6時54分
-
4セブンの一部店舗、「万引き犯」とされる人物の顔写真を公開 SNSでは賛否両論...本部の見解は?
J-CASTニュース / 2024年11月28日 18時48分
-
5原発の汚染水処理めぐり12億円を詐取か…64歳の会社役員の男を逮捕 架空の発注があったかのように装った疑い
MBSニュース / 2024年11月28日 19時40分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください