新型コロナが問う私達の覚悟
Japan In-depth / 2020年4月21日 18時0分
こうした危機意識のなさはどこからくるのだろう。欧米の医療崩壊や、まるで戦時下のような感染爆発の実態が日がな一日テレビやネットから流れてくるのに、だ。
「自粛疲れ」などという言葉も一人歩きし始めた。まだ自粛が始まってから1ヶ月も経っていないのにだ。
確かに日本の感染者数・死者数は欧米諸国に比べて少ない。今のところ。しかし、着実にそれらの数値は増加している。しかも急速に。新型コロナウイルスは人類に平等に災厄をもたらす。日本だけが特別なわけはない。
他国に比べて数値が少ないのは医療従事者が必死に頑張っているからにすぎない。彼だとて生身の人間だ。感染者の治療に当たれば自分も感染するリスクが高まる。事実多くの医療施設で感染が拡大している。「医療崩壊はもう始まっている!」そんな悲鳴に近い医療従事者の声、いや、悲鳴そのものがネット上にはあふれている。しかし、多くの国民には届いていないかのようだ。
政府は私権を制限せず、国民の自主性に期待する道を選んだ。果たしてそれは正しかったのだろうか。5月6日に宣言が終息すると楽観視している人がいたら考えてもらいたい。多くの人の身勝手な行動で感染者は着実に増えるのだ。今の私たちはそういう状態にいる。
自由を手放したくない。政府に強制されたくない。誰しもそう思うだろう。しかし、未知のウイルスという目に見えない敵に対峙している今、我々は無自覚に過ぎる。この敵と戦わなくてはいけないのは、私たちすべての国民だ。
頭の上をどこぞの無法者国家が発射したミサイルが飛んでいっても、なんとも思わない。そんな平和ボケがこの期に及んでまだ続いている。人はそれを「正常性バイアス」と呼ぶのかもしれない。
これは、未知との敵との戦争だ。自由を謳歌しつつ、敵を倒せると考えているのなら、大間違いだ。その代償は高くつく。
このウイルスは弱い者からじわじわと力を奪っていく。見えないところで心を蝕み、虐待や搾取が進行している。症状が高熱と肺炎だけではないところが、恐ろしい。
経済が停滞し、不況が襲いかかってくる。仕事を失う人が増加し、死を選ぶ人も増えるだろう。
これは眼を背ける事は出来ない事実だ。自粛の意味を問い直す時が、来ている。
新型インフルエンザ等対策特別措置法
施行日: 令和二年三月十四日
第四十九条 特定都道府県知事は、当該特定都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施に当たり、臨時の医療施設を開設するため、土地、家屋又は物資(以下この条及び第七十二条第一項において「土地等」という。)を使用する必要があると認めるときは、当該土地等の所有者及び占有者の同意を得て、当該土地等を使用することができる。
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