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米で対中コロナ損賠訴訟勃発

Japan In-depth / 2020年4月22日 23時0分

・ミズーリ州当局は中国政府のこうした態度はまったくの不当、不必要であり、その意図さえあれば、簡単に変えられたと判断する。そして財政的な賠償金を求めるだけでなく、中国当局が冒した罪をそのウイルスの真の発生源についての調査を含めて、今後、継続して解明していく。



アメリカやその他の諸国には他の主権国家自体に対する訴訟を禁じる法律がある。アメリカの場合、「外国主権免除法」という法律である。


ところが同法も外国政府による商業活動やアメリカ国内での違法行為をその訴訟の禁止対象から除外している。ミズーリ州の今回の訴訟もその点を踏まえて、中国に対しては単に主権国家の政府だけではなく、共産党や武漢市当局なども損害賠償請求の相手に加えて、中国側の責任回避を阻むように考慮されているようだ。


アメリカでは現在、官民ともにコロナウイルス拡散に対する中国の責任を法的に追及する動きが高まってきた。これまでに民間ではフロリダ州やテキサス州などで合計7つの民間団体が中国当局に対する損害賠償請求の集団訴訟を起こした。


またアメリカ議会では4月20日、上下両院の共和党議員合計22人がトランプ政権に書簡を送り、中国のコロナウイルス感染に対する責任を国際司法裁判所に訴えることを要請した。


アメリカ議会ではすでに中国への賠償を請求する決議案が3月下旬に提出された。


上院のジョッシュ・ホーリー議員(共和党)、下院のエリス・ステファニク議員(共和党)ら約10人の与党議員グループは3月23日、コロナウイルス感染症に関して中国政府の責任を法的に追及し、感染の国際的な拡散によって被害を受けた諸国への賠償支払いを求める、という趣旨の決議案を上下両院に同時に提出したのだ。



▲写真 ジョッシュ・ホーリー上院議員 出典:Office of Senator Josh Hawley


その決議案の要旨は以下のようだった。



・中国政府がコロナウイルスの感染の拡大や殺傷性を意図的かつ組織的にカバーアップ(隠蔽)する工作を実行するという非道徳的な決定をしたことはアメリカ国民を含む数十万の人間の死をもたらした。


・アメリカ議会は中国政府に対してその傲慢な決定が全世界にわたって生んだ有害、損失、破壊に対して、法的な責任をとって、損害賠償金を支払うことを求める。


・アメリカ議会は国際社会に対してそれぞれの国家が中国の行動によって受けた損害を数量的、金額的に測定し、中国政府からの賠償金を受け取るための法的なメカニズムを創設することを提案する。



アメリカの官民ではこのような動きがすでに激しくなっているのだ。だから今回のミズーリ州の訴訟もそうしたアメリカ全体での潮流の反映ともいえる。それにくらべて日本では表面でみる限り、コロナウイルス感染での歴史的な被害に関して中国の非を責める動きはまず目立たないようである。


トップ画像:コロナウイルス蔓延下のスーパーマーケット 出典:Commander, Navy Region Hawaii


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