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中国「マスク外交」の失態

Japan In-depth / 2020年4月27日 11時19分


▲写真 中国政府のホームページには各国への支援物資提供や医療チーム派遣に関する報告が数多く掲載されている。出典:China International Deveropment Cooperation Agency (cidca.gov.cn)


そして同記事は、結論として「中国がコロナウイルスの感染で傷ついた自国の対外イメージを修復するための試みはかえって逆の効果を招いた」という厳しい総合判断を下していた。


この記事はその「逆の効果」、つまり中国のマスク外交の失態の証拠として以下のような実例を挙げていた。


・イギリスでは、下院の外交委員会が政府に対して、中国当局が発信しているコロナウイルスの発生や拡大についての情報は虚偽が多いとして、特別の調査を開始することを要求した。


・ドイツでは、駐在する中国政府外交官がドイツの議会の一部に働きかけて、中国政府のコロナウイルス対策を賞賛する声明を出させようと試みたことに対して、ドイツ議会の他の組織が抗議の声をあげて阻止した。


・スペイン、チェコ、オランダの各国では、それぞれの政府が中国が提供したコロナウイルス対策用の大量のマスクと検査キットに欠陥があるとして、返却する措置をとった。


・ナイジェリアでは、政府が中国人医師団をコロナウイルス対策のために招こうとしたのに対して民間の医師協会が反対し、「中国医師団はウイルスを持ちこむ恐れがある」とまで述べて、論議を招いた。


・ブラジルでは、教育大臣が「中国はコロナウイルス対策に必要な医療器具を国際的に独占することで世界制覇を図っている」と発言したのに対して、中国のブラジル駐在の外交官たちが激しく反論して、衝突した。


・イランでは、保健省報道官が中国のコロナウイルス感染者の発表は正確ではないと発言したことに対して、現地の中国人外交官が激しい反論と非難を表明した。発言をしたことに対して、現地の中国大使らが、「まったく根拠のない虚偽宣伝だ」と反撃して、論争となった。


 


・スリランカでは、地元の実業家が中国政府の新型コロナウイルスへの対応を批判する以上のような事例は、いずれも中国のマスク外交の失態の顕れというわけだった。


 


**この記事は 一般社団法人日本戦略研究フォーラムのサイトの「古森義久の内外抗論」という連載コラムからの転載です。


トップ画像:バングラデシュに到着した中国からの支援物資(2020年3月26日) 出典:China International Deveropment Cooperation Agency (cidca.gov.cn)  [Photo/Xinhua]


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