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金正恩重体説、当局沈黙の謎

Japan In-depth / 2020年4月28日 18時0分

国内向けでは、リ・シンジャとリ・シフプ2名の功労者に「温情に満ちた誕生祝いを送った」(21日)、「三池淵市の整備に誠心誠意支援した幹部や勤労者らに感謝を送った」(26日)「元山のカルマ海岸観光地区の建設に参加した労働者に感謝の意を表した」(27日)との報道が全てだ。しかしこれらの案件は、金正恩委員長が姿を消す前にすでに決済されたと思われるので、身辺異常説に対する反証とはなりにくい。沈黙の継続で金委員長に対する重体説がいま再び持ち上がっている。



▲画像 Kim Jong-un visiting Berlin. 出典:flicker by driver Photographer


■ 外部に金正恩情報を求める平壌のエリートたち


北朝鮮に流入している「フェイクニュース動画」は「元帥様(金委員長)が現地指導の途上で急病に亡くなった」とする朝鮮中央TV報道シーンを実際のように模倣したものだが、中国から流入したという。北朝鮮の内部消息筋は「これが社会的問題として提起されて緊急検閲と統制が行われている」と伝えてきた。


その内容は、錦繍山太陽宮殿を背景に「敬愛する最高指導者、金正恩同志が現地指導の途上で逝去された」という文言から始まる約5分の映像だが、そこには金委員長が25日未明0時30分現地指導中に死亡したということと、金与正党中央委員会第1副部長が革命偉業を継承するという内容が盛り込まれている。信憑性を高めるために、過去の金正日の追悼式のシーンや「人民朝鮮」という名前の捏造された新聞の1面の画像なども挿入している。



▲画像 金与正 北朝鮮 朝鮮労働党 中央委員会第1副部長 出典:Kim Jinseok (Official photographer of Republic of Korea), Blue House (Republic of Korea) 大韓民国大統領官邸


北朝鮮に流入した海外メディアの身辺異常情報とこうした「フェイク動画」は、いま北朝鮮の携帯電話を通じて平壌にまで浸透している。そうしたことから最近では平壌のエリート層から中国の貿易商や韓国の脱北者に「金正恩元帥様は本当に死亡したのか?」という問い合わせが来ているという。金正恩の動静が全く報道されないので北朝鮮内部の人たちが金正恩情報を外部に問い合わせるという笑えない異常現象が起こっているのだ。



▲画像 President Trump Meets with Chairman Kim Jong Un 出典:flickr : The White House


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