人類と感染症12 コロナ後のキーワード「地球共存」
Japan In-depth / 2020年4月29日 15時49分
▲写真 ウイルスがニワトリやアヒルから豚に感染すると人にも感染する型になることがあるという。 出典:flickr; Rikki’s Refuge
このインフルエンザウイルスは近年猛威を振るっている。専門家によれば、その背景にあるのが、地球の環境の変化だ。世界の湿地の50%が失われている。人々が湿原を開発しているためだ。カモなどの越冬地が狭くなり、過密になっている。そのため、カモがウイルスに感染する可能性が高まっているという。
さらに、インフルエンザウイルスは、人口密度の高い都市が大好きだ。次々に「乗り物」を変えることが可能だからだ。産業革命以降、都市に人口が密集しているのは、ウイルスにとって、楽園といえよう。
また、もう一つ、重要なポイントがあると、前述の石氏は見ている。それは、畜産革命。世界的に食肉の消費が増加していることだ。世界で飼われている鶏は10年ほどで3割増え、中国が大きなウェートを占めている。また、豚の飼育のうち、60%が中国産だ。(『感染の世界史』P222-P225)。豚や鶏は、ウイルスが感染しやすい「宿主」だ。
湿地の開発、産業革命、そして畜産革命。すべては人類が経済的な豊かさを求め、地球環境にダメージを与えてきた行為である。結局、ウイルスが大暴れしているのは、人間社会に対する復讐なのかもしれない。
そんな状況を踏まえ、私は「コロナ後」の経済について、予想した。「地球と共存」がキーワードになろう。企業は、地球環境を軽視して、利益だけを追求してはいけない。「コロナ後」は、地球への優しさや、配慮のある企業が生き残るだろう。産業革命以降、効率重視でまい進してきた世界経済だが、新型コロナは価値観の転換を求めている。
(続く。「人類と感染症」1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11)
トップ画像:新型コロナウイルス(イメージ)出典:flickr; SBT4NOW
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